金融情報サービスのブルームバーグは英国時間の8月11日、独自のESG(環境、社会、企業統治)スコアの提供を開始したと発表した。最初に提供するスコアには石油・ガスセクターの252企業の環境・社会(ES)スコアと、複数の産業にまたがった4300の企業の取締役会構成スコアを含む。投資家・帰入機関向けプラットフォーム「ブルームバーグターミナル」のデータライブラリから「ESGスコア」を選択して閲覧できる。
国際エネルギー機関(IEA)によると、石油・ガスセクターの企業は燃料燃焼に関連した二酸化炭素排出量の半分以上を占め、世界のエネルギー関連の温室効果ガス排出量の15%を排出しており、こうした企業の開示データは、一般的にはより具体的になる。ガバナンススコアは、 長期的な戦略的パフォーマンスに対する適切なリーダーシップと監督機能を提供する上で、取締役会の役割について監視が強化されてきたことから取締役会の構成から始める予定だ。
取締役会構成スコアによって、投資家は、ある企業の取締役会が多様な視点の提供と経営の監督という観点でどのような状態にあるか、また、現在の取締役会構成における潜在的なリスクを評価することができる。この定量モデルには、ブルームバーグのガバナンスの専門家によって設計され、ブルームバーグの経営陣と取締役会レベルのデータが活用されている。スコアは多様性、在職期間、社外取締役職兼務状況、独立性の4つの主要な重点分野で、企業の相対的なパフォーマンスをランク付けしている。
ESスコアとは、企業の環境および社会的パフォーマンスをデータに基づいて測定するもの。 投資家は気候変動や安全衛生など、財務的に重要な事業に関連する業界特有の重要課題に関連するパフォーマンスを迅速に評価し、業界の競合他社と比較して企業活動を相対的に評価するためにESスコアを利用できる。
ESGスコアに加えて、ブルームバーグは、数多くの「サステナブル・ファイナンスソリューション」を展開しており、投資家が投資プロセス全般にわたってESGを統合できるよう、データに基づいた考察を提供している。これには企業が報告したデータや第三者のデータを組み合わせて標準化するソリューション、ニュースや調査コンテンツへのアクセス、ESG関連の投資家向けに特別に構築された分析・調査ワークフローが含まれる。
同ソリューションのグローバルヘッドであるパトリシア・トーレス氏は「ESGデータは投資のプロセスにおいて重要。透明性の高いESGデータとスコアの提供で、投資家に対して企業間での比較が困難な生データの解読を支援していく」としている。
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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