日本の子供、国際比較で「お金について学ぶ機会少ない」。アクサIMが9ヶ国に意識調査

アクサ・インベストメント・マネージャーズ(IM)株式会社は12月18日、お金に関する教育が子どもたちのお金の扱い方に与える影響についての調査結果を発表した。調査は800万円以上の年収のある所得層の上位80%を対象に、日本を含むアジア・ヨーロッパ地域9ケ国の子供(8歳~15歳)とその親を含む計4703人にオンラインで実施。日本からは500名の子どもたちが調査に参加した。他の調査対象国と比較して、日本の子供は親や学校から”お金”について学ぶ機会が少なく、また、お小遣いやお手伝いの報酬などの合計は週平均808円で、国際比較でみると少ない。さらに、日本の子供はお小遣いを貯金する意識が他のアジアの国々と比べると低く、使う方に意識が向いているという結果となった。

“お金”の教育の機会に関する調査では「小・中学校でお金の管理について教わったか」という質問に対して「教わった」という回答は、アジアではシンガポール58%、香港48%、台湾47%、日本は27%で最下位。欧州ではイギリス34%、スペイン32%、スイス31%、フランス23%、イタリア17%となった。また、アジアでは学校だけでなく、家庭でも”お金”について教えることを親が意識しており、台湾では78%、香港では72%の親が「お金の管理を教える」という目的で子どもにお金を渡していた。日本ではお金を渡す目的として最も多い回答が「日々の支出のため」(47%)、次いで「お金の管理を教えるため」(42%)だった。

欧州では親が子どもの貯金管理に関わっている傾向が高く「貯蓄がどれくらいあるかどのように調べるか」という質問には「親に聞く」と回答した子供がフランス64%、スイス55%、イギリス50%とアジア(シンガポール49%、日本45%、香港・台湾41%)に比べ多かった。「子に対して学校や親がお金の管理について学ぶ機会を与えているアジアや、親が貯金の管理に関わる傾向が高い欧州と比較すると、日本の子どもは学校からも親からもお金の管理について学ぶ機会が少ない」と同社は読みとる。

アジアでは約77%の子供が親からお小遣いをもらっている。これに対して欧州では、お金を渡された理由に関する質問では「プレゼント(誕生やクリスマス)として」と回答した子供はスイスで73%、イギリス77%、フランス81%、スペイン75%、イタリア75%と7割超で、アジアでは香港とシンガポールが48%、台湾54%、日本68%だった。アジアでは子どもに「お小遣いとして」、欧州では「プレゼント」としてお金を与える傾向にある。

お小遣いやお手伝などの報酬を合計した金額を週平均に換算すると、香港は平均181香港ドル(2565円)、シンガポールは32シンガポールドル(2521円)、イタリア1514ユーロ(1800円)、スイス14.09ユーロ(1675円)、スペイン12.35ユーロ(1469円)、フランス11.59ユーロ(1378円)、イギリス9.16ポンド(1308円)。これに対して日本は808円、台湾は77台湾ドル(282円)と低い(円換算は2020年2月18日の為替レートを使用)。

「なぜ貯蓄をしているのか」という質問には、シンガポール、台湾では「お金の自己管理能力を養うため貯金する」と回答した子供がそれぞれ62%、68%と最多となり、香港と日本では「おやつやおもちゃなどを買う」という回答がそれぞれ57%、54%と最も多かった。香港は「おやつやおもちゃを買うため」(57%)と「お金の自己管理能力を養うため」(53%)が同様に高い割合を占めていた。これらの国に比べ、日本の「自己管理能力を養うため」という回答は31%と他のアジア諸国と比較して最も低かった。

現在の貯蓄状況に関する質問で「お小遣いを現金で貯金している」と回答した子供は、香73%、シンガポール72%、台湾63%、イギリス54%、フランス40%、日本55%、スイス58%、スペイン69%、イタリア56%で、アジアだけでなく欧州も貯金をする傾向にある。一方で「お小遣いを貯金していない」という回答は、フランス66%、日本62%、スイス52%、香港23%、シンガポール27%、台湾25%で、アジア諸国と比較した場合、日本の子どもはお小遣いを使い切ってしまう傾向にあるようだ。

また、「貯金についてどう感じているか」という質問に対して「どちらかといえば貯金する」と回答した子供は、香港53%、シンガポール60%、台湾とフランスが55%と半数を超えているのに対し、日本は29%でイギリス(26%)の次に低かった。「どちかといえば使う」という回答はイギリス39%、スイス31%に続き、日本は28%で3番目。香港、台湾、シンガポールのアジアの国々は日本や欧州に比べてお小遣いを貯金をする意識が強く、日本は貯金よりも使うことにより意識が向けられている傾向にあるといえる。

調査結果を受けて、首藤正浩アクサIM社長は「子どもの時から”お金”について学ぶことは、人生100年時代を生き抜く上で重要。アクサグループの生命保険事業を担うアクサ生命は、高校生・専門学校生に金融リテラシーを身に付ける機会を提供するために、FA職員による出張授業『大人になるために必要なこと』を実施しており、アクサIMを含めアクサグループとして今後はそういった金融教育の機会の重要性を訴えていきたい」としている。クリスマスに正月を控え、子供が現金を手にする機会が増える時期。大人としては、渡す前に“学びの機会”を意識したいものだ。

【関連サイト】アクサ・インベストメント・マネージャーズ株式会社

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HEDGE GUIDE編集部 ESG投資チーム

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