中国のオフィス家具大手、Sunon Technology(サンオン・テクノロジー)は6月19日、米国イリノイ州シカゴの高級商業地区フルトンマーケットに、北米で2か所目となるショールームを開設した。同社は海洋プラスチックを再利用した椅子など、環境配慮型の高級オフィス家具を展開しており、ハイブリッドワークの普及で変化する北米のワークスペース市場でのシェア拡大を狙う。
新ショールームは、カリフォルニア州アーバインの本社に次ぐ北米での重要拠点となる。同社はロサンゼルスに研究開発チーム、メキシコ・モンテレーに製造拠点、テキサス州ダラスに倉庫を持ち、北米全域をカバーする供給体制を構築している。シカゴ進出により、米国中西部の企業や設計事務所へのアクセスが向上し、地域のニーズに迅速に対応できる体制が整った。
ショールームでは、人間工学に基づいた「H7チェア」、ハイブリッドワークに対応した可動式の「MixCube」シリーズ、海洋プラスチックをリサイクルしたフレームを採用した「H5チェア」などを展示。特にH5チェアは、EUが2021年に施行した使い捨てプラスチック規制や、米国の州レベルで進むプラスチック包装規制の流れを受けて開発された製品で、循環型デザインの具体例として注目される。
グランドオープンでは、デザイナーや企業関係者を招いてH5チェアのカスタマイズワークショップを開催。参加者が実際に製品デザインに関わることで、サステナビリティと創造性を融合させた同社のアプローチを体験してもらう狙いがある。Sunonグローバルのマネージングディレクター、シンディ・シー氏は「シカゴは地域の設計専門家や企業パートナーとより直接つながる戦略的拠点。持続可能性はスローガンではなく、私たちのイノベーションの基盤だ」と強調した。
米国では2022年のインフレ抑制法(IRA)成立以降、企業の環境対応への投資が加速している。また、証券取引委員会(SEC)が2024年3月に採択した気候関連情報開示規則により、上場企業は気候変動リスクの報告が義務化された。こうした規制強化を背景に、企業のオフィス環境でも環境配慮型製品の需要が高まっている。Sunonは130か国以上で事業を展開しており、グローバルな環境規制の動向を踏まえた製品開発で差別化を図っている。
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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