独自動車メーカーAudiは3月2日、使用済み車両を新車生産に再利用するMaterialLoopプロジェクトに向け、ブロックチェーンを活用したトレーサビリティプロセスを提供するCircularise社など15社と連携したことを発表している。
同社は2022年10月、MaterialLoopプロジェクトの一環として車両100台を解体。種類ごとに分別された素材を新車部品に再利用するため、リサイクル業界、サプライチェーン、研究機関と協力し、試験運用を開始していた。同プロジェクトは今年4月末まで実施される予定だが、一部のリサイクル素材はすでに車両の生産に再利用可能となっており、最初の試験段階でMaterialLoopによる二次素材を約12%含む6つのスチールコイルが製造されたという。このコイルを利用し、最大1万5,000個のAudi A4用インナードアパーツが生産される予定となっている。
Audiは、2026年に施行予定のEUのバッテリーパスポート規制に向けて、Circulariseが提供するデジタル製品パスポートを重要視している。同様のブロックチェーン技術トレーサビリティソリューションとしては、フォード社がバッテリーパスポートで提携したEverledger、ボルボ社およびジャガー社と提携したEVバッテリートレーサビリティのCirculorに加え、フォードがパートナーを組んだ電気自動車(EV)バッテリー標準を開発のMOBIなどが知られている。
Circulariseが独自に開発したトレーサビリティシステムには、特許申請中の「Smart Questioning」技術が採用されている。Smart Questioningはゼロ知識証明を使用しており、機密性の高いサプライチェーン情報を保護しながら、外部の相手と透明性の高い情報を共有することが可能となっている。Circulariseが持つトレーサビリティシステムは大手総合商社である丸紅でも注目されており、2021年2月には日本およびアジアの化学品市場向けに展開することを目的とした業務提携契約を交わしている。
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HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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