資産運用のアセットマネジメントOne株式会社は4月1日、「責任ある機関投資家」の諸原則である日本版スチュワードシップ・コードへの取組方針を改定したと発表した。3月24日に金融庁が公表した同じコードの再改訂を踏まえた内容とした。
同コードは8つの原則で構成。機関投資家に対し①スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべき、②スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべき、③投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべき、④投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべき、⑤議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるよう工夫すべき――としている。
さらに、⑥議決権の行使も含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしているのかについて、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべき、⑦投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解のほか運用戦略に応じたサステナビリティの考慮に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきであるとする。また、8つ目に機関投資家向けサービス提供者には、機関投資家がスチュワードシップ責任を果たすに当たり、適切にサービスを提供し、インベトメント・チェーン全体の機能向上に資するものとなるよう努めるべき――と掲げている。
同社ではそれぞれの原則に「指針」と「AM-one取組方針」を策定。今回の改訂にあたって、同コードにおける「スチュワードシップ責任」を「機関投資家が投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づく建設的な『目的を持った対話』(エンゲージメント)、議決権行使などを通じて、当該企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことにより、顧客の中長期的な投資リターンの拡大を図る責任を意味する」と改めて定義。同コードが念頭に置く日本の上場株式に加えて、他の資産についても本コードに沿ってスチュワードシップ責任を果たせるよう体制を整備していくとしている。
【参照URL】日本版スチュワードシップ・コードへのアセットマネジメントOneの取組方針の改定について
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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