中国のeコマース大手Alibaba Groupの運営するEコマースプラットフォーム「Tmall」は、中国の物流会社Cainiaoと提携して、クロスボーダーのサプライチェーンでブロックチェーン技術の採用を進めていることがわかった。3月1日、Coindeskが報じた。
現地の報道によると、この提携は輸出入する商品に関する情報をブロックチェーンで管理することにより、原産国、出荷地、輸送方法、到着地、税関の詳細を追跡することを目的としている。ブロックチェーン管理の導入によって、Cainiaoが網羅する上海、広州、深センなど、中国の様々な都市の消費者が50か国の約3万種類ものグッズについての物流情報を追跡できるようになるとしている。
中国では多くの偽造品が製造され流通しており、実物を直接手に取って見ることなく購入するEコマースでの大きなリスクとなっている。Alibabaも偽造品の売買には十分な注意を払っており、ユーザーの評価システムなどを導入し信頼性の向上に努めてきた。この点が、Alibabaの成功の大きな要因として知られている。
ブロックチェーンの有効性が知られるようになり、Alibabaは昨年にはPwCと協力して食品信頼フレームワーク(Food Trust Framework)というブロックチェーンにより生産から消費者に届けられるまでの情報を管理、食品詐欺のリスクを減らすシステムを開発した。
今回のTmallとCainiaoのパートナーシップは、偽造品が流通する懸念を抑え込み、消費者の信頼を向上させようとするAlibabaによる新たな動向を示すものといえる。Alibabaほどの大手eコマース企業の動向はブロックチェーンや仮想通貨にもたらす影響が大きい。これからも同社の動きに注目していきたい。
【参考記事】Alibaba’s T-Mall Is Moving Cross-Border E-Commerce to Blockchain

HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

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