今回は、LINE NFTの使い方とセールスパートナー制度について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- LINE NFTとは
1-1.LINE NFTの概要
1-2.LINE NFTの特徴 - セールスパートナー制度とは
2-1.セールスパートナー制度の概要
2-2.セールスパートナー制度スタートの背景
2-3.LINE NFT初のセールスパートナー - LINE NFTの使い方
3-1.購入方法
3-2.出品・販売する方法(二次流通) - バーチャルシティコンソーシアムの今後の展開
- まとめ
22年11月8日、LINEの暗号資産(仮想通貨)関連事業およびブロックチェーン関連事業を手がけるLINE Xenesis株式会社は、同社が運営を行うNFTマーケットプレイス「LINE NFT」において、新たに「セールスパートナー制度」をスタートしたことを明らかにしました。
また、最初のセールスパートナーとして、ソフトバンク株式会社および株式会社SP EXPERT’S、株式会社CDGが決定したことも発表されており、業界では大きな話題を呼んでいます。
ここではLINE NFTの概要や具体的な使い方、また今回新たに発表されたセールスパートナー制度について、詳しく解説していきます。
①LINE NFTとは
1-1.LINE NFTの概要
「LINE NFT」とは、22年4月13日にLINE Xenesis(ライン・ジェネシス)株式会社よりリリースされた、NFTマーケットプレイスのことを指します。
LINE Xenesis株式会社はLINEの仮想通貨関連事業およびブロックチェーン関連事業を手がける企業で、LINE独自のブロックチェーンとして知られる「LINE Blockchain(ライン・ブロックチェーン)」の展開や、仮想通貨取引サービス「LINE BITMAX(ライン・ビットマックス)」の運営、デジタルアセット管理ウォレット「LINE BITMAX Wallet(ライン・ビットマックス・ウォレット)」の提供など、幅広い事業展開を行っています。
LINE NFTはLINEのユーザーであれば誰でも簡単にアカウントを作成することが可能で、プラットフォーム上において、NFTの購入や保有のほか、交換や出品など、NFTに関連したあらゆる活動を行うことができるようになっています。
このように、LINE NFTは多岐にわたるNFT体験をオールインワンで楽しむことが可能なNFTマーケットプレイスとして、多くのユーザーからの支持を獲得しています。
1-2.LINE NFTの特徴
①LINEアカウントを用いて気軽に始められる
通常、NFTマーケットプレイスを利用する際はまずアカウントの開設が必要となりますが、その開設作業が複雑であったり、ステップが多く面倒であったりすることも少なくありません。
そんな中、LINE NFTはLINEのユーザーであれば簡単に利用できる仕様となっているため、LINEアカウントさえ持っていれば、画面の案内に沿ってパスワードの設定や規約の同意などを行うだけで簡単にアカウントを開設することが可能です。
このように、LINE NFTはほかのNFTマーケットプレイスと比較しても、より気軽に利用できるサービスとなっています。
②日本円で購入できる
LINE NFTでは「LINE Pay(ラインペイ)」を用いた日本円決済と、LINEが発行している独自の仮想通貨「LINK(リンク)」による決済という二種類の方法が選択できるようになっています。
多くのNFTマーケットプレイスは、決済方法として仮想通貨のみを採用していますが、仮想通貨を保有していない方や仮想通貨にあまり馴染みのない方にとってはハードルが高くなっています。
そんな中、LINE NFTで取り扱われているNFTはすべて、LINE Payを通した日本円での決済が可能となっています。また、LINEが発行している独自の仮想通貨LINKを用いての購入も可能と、ユーザーは自身のニーズにマッチした方法を自由に選択できるというメリットがあります。なお、「LINK」は仮想通貨取引サービスLINE BITMAXにおいて購入できます。
③LINEの友だちとNFTの交換ができる
LINE NFTにおいて購入したNFTは、LINEの提供する「LINE BITMAX Wallet」に保管される仕様となっています。このLINE BITMAX Walletでは、トークンやアイテムなどをはじめとする「デジタルアセット」を管理することができるだけでなく、自身の保有するNFTをLINE上の友だちと交換したり、送ったりすることも可能となっています。なお、NFTの中には交換や送信ができないものもあるため、注意が必要です。
④地球に優しいブロックチェーンを用いている
LINE NFTでは「LINE Blockchain」と呼ばれる独自のブロックチェーンを用いており、マイニングを必要としない地球に優しいブロックチェーンとして知られています。
通常、ブロックチェーン・ネットワークの管理もしくは維持のためにマイニング方式を採用している主要なブロックチェーンでは、多数のマイナーがマイニングのために高い性能を持ったコンピューターを使用するため、膨大な電力消費が問題となっていました。
そんな中、LINE NFTはマイニングが不要な仕様であるため、環境への負荷を大幅に軽減することが可能となっています。
⑤取引手数料がかからない
LINE NFTでは、取引手数料(ガス代)ゼロで取引を行うことが可能です。
多くのNFTマーケットプレイスでは取引の際に一定の手数料である「ガス代」を支払う必要があり、特にイーサリアム・ブロックチェーンを採用しているプラットフォームではガス代の高騰などが大きな問題となっていました。
そんな中、LINE NFTでは前述した独自のブロックチェーン「LINE Blockchain」を採用しているため、ユーザーはガス代を支払うことなく取引を楽しむことが可能です。
⑥二次流通の際に収益を受け取ることができる
LINE NFTでは、ストアにおいてクリエイターから購入したNFTを、再度マーケットプレイスに出品することができます。これを「二次流通」と呼び、出品したNFTが売れた場合、出品者はその収益を受け取ることが可能です。
二次流通においてNFTが取引された際は、出品者だけでなく最初にNFTを発行したクリエイターに対しても、「コンテンツ料」という形で収益が還元されるシステムとなっています。そのため、二次流通以降であったとしても、NFTを購入することによって自分のお気に入りのコンテンツや応援したいアーティストをサポートすることができるというわけです。
②セールスパートナー制度とは
2-1.セールスパートナー制度の概要
冒頭でも触れた通り、22年11月8日、LINE Xenesis株式会社はLINE NFTにおいて、新たに「セールスパートナー制度」をスタートしたことを明らかにしました。セールスパートナー制度では、パートナーとなった企業がコンテンツホルダーやその他の企業からライセンスを受けて、LINE Xenesisの専任担当者のサポートのもと、NFTの発行や販売を行っていくということです。
LINE Xenesisが公開しているパートナー企業への依頼内容としては、販売内容の策定やコンテンツ制作などをはじめとするコンテンツホルダーや企業への各種サポートのほか、所定のトークン審査資料の提出といったNFT販売に関する権利整理などが挙げられています。
なお、LINE Xenesisでは現在、NFTを軸とする「Web3.0関連事業」を共に盛り上げていけるセールスパートナーを募集しているということで、LINE NFTがこれまで積み上げてきたあらゆるノウハウを活用し、パートナーとの連携を取ることによってNFT活用のユースケースをさらに拡大し、企業またはコンテンツホルダーがより効果的なNFT販売および活用を行うことができる環境を提供していくということです。
2-2.セールスパートナー制度スタートの背景
NFT市場は21年ごろから海外で急激な拡大を見せており、日本国内においても数多くの企業が次々にNFT事業への参入を発表しています。このような状況の中、NFTを用いたユースケースもますます多様化しており、各業界における市場調査を行っている「矢野経済研究所」によると、国内におけるブロックチェーンを活用したサービスの市場規模は、25年度におよそ7,000億円規模を突破すると予測されています。
LINE NFTでも、22年4月のサービス提供開始以来、アニメやキャラクターからスポーツやアーティストまで、さまざまなジャンルに渡る46の企業およびコンテンツホルダーが手がける、およそ97,000点にもおよぶNFTの取り扱いを行ってきました。そして、これまで多岐にわたるジャンルのNFT販売を行ってきた経験を通して、ユーザーにとって魅力のあるNFTの特徴は何か、またユーザーがより購入しやすい価格帯はどこかなど、NFTに関するさまざまなノウハウが着実に蓄積されてきたと語っています。また現在も、ユーザーが保有しているNFTを、LINE NFTのプロフィールやLINEのプロフィールアイコンに設定することができる体験版「プロフィールNFT」機能や、NFTの「エアドロップ(無料配布機能)」といった試みを続けています。NFTを所有するだけでなく、そのもう一歩先にあるNFTを楽しめる環境の実現を目指して、精力的な開発を行っています。
そんな中、LINE NFTは今後のNFT事業のさらなる普及および発展のため、今回新たにセールスパートナー制度をスタートすることを決定しました。
2-3.LINE NFT初のセールスパートナー
最初のセールスパートナーとしてソフトバンク株式会社および株式会社SP EXPERT’S、株式会社CDGが決定したことも発表されています。
ここでは、今回発表があったそれぞれの企業について、簡単に紹介していきます。
ソフトバンク株式会社
ソフトバンク株式会社は、世界的な投資企業である「ソフトバンクグループ株式会社」を親会社とする通信・IT企業です。
ソフトバンクグループ共通の経営理念である「情報革命で人々を幸せに」という考え方のもと、創業以来一貫して、情報革命を通じた人類と社会への貢献を追求しています。
株式会社SP EXPERT’S
株式会社SP EXPERT’Sは、「販促を通じて生活者の心を動かす体験を提供する」というビジョンを掲げる、小売やメーカーの販促DX支援を手がけるデジタル販促ソリューション企業です。
販促やデジタルテクノロジー、データマーケティングの知見を統合し、OMO販促市場における総合的な提案が可能な組織として知られており、実に40種類を超える豊富なデジタル販促ソリューションメニューを展開しています。
株式会社CDG
株式会社CDGは、「日常を感動体験に変える会社」というビジョンのもと、消費を促す楽しい企画やサービスを提供することによって日常の消費活動すべてを感動体験に変え、ワクワクする社会の実現を目指すマーケティング企業です。
売上やブランド価値の向上といった成果につながるコンサルティングのほか、製品やプロモーション、チャネルやIPなどのマーケティングの核となる活動を全方位からサポートすることで、「売れる仕組みづくり」と「売るための戦略づくり」を支援しています。
このように、最初のセールスパートナーとしては上記3社が発表されましたが、LINE NFTは今後も引き続きパートナーの拡大を進めていくとしており、今後ともLINE NFTの強みを最大限に生かした新たな「NFT体験」をユーザーに提供していくと説明しています。
③LINE NFTの使い方
3-1.購入方法
①まず、アカウントを開設します。
画面右上の三本線をタップし、LINE NFT公式アカウントの認証を行います。
その後、案内に従って各種規約に同意し、パスワードの設定を行い、設定が無事完了したら、アカウントが開設されます。
②アカウントが開設できたら、次に決済手段の登録を行います。
前述の通り、LINE NFTではLINE Payおよび仮想通貨LINKが利用できますが、ここでは仮想通貨LINKを決済手段として利用するための準備方法について、説明します。
LINKを決済で利用するには、LINE BITMAXの口座開設および本人確認が必要です。まずは、LINEからウォレットタブ>LINE BITMAXと進み、画面の案内に従って口座開設を行います。
口座開設が完了したら、次に、本人確認書類をアップロードし、審査が完了したら取引ができるようになります。その後はLINE BITMAXにログインし、「入出金/入出庫」を選択、LINE Payまたは銀行口座を選択して「入金」を行います。入金が完了したら、ホーム画面にて「LINK」をタップし、LINKの取引画面にて「買う」を選択、希望の購入数量を入力すると、実際にLINKを購入することができます。
③ここまでの準備が無事完了したら、いよいよ実際に気になるNFTを探して購入していきます。
購入の際は、まず好きなNFTを探して選択します。その後、詳細をしっかりと確認し、「購入する」ボタンをクリックします。
そして、「決済に進む」ボタンをクリックすると、購入が完了となります。
なお、購入したNFTは、LINE BITMAX Walletにおいて保管されます。
3-2.出品・販売する方法(二次流通)
①保有しているNFTを出品・販売したい場合は、まずログインした状態で画面右上の三本線をタップします。
そして、「保有中」のタブから出品したいアイテムを選択します。
②次に、「出品する」ボタンをタップし、決済手段の選択、希望する販売価格の入力を行い、「確認する」ボタンをタップします。
その後、内容の確認をしっかりと行い、問題がなければ出品完了となります。なお、出品したNFTは、購入される前の段階であれば、出品をキャンセルしたり、キャンセル後に価格変更をして再度出品することも可能です。
④まとめ
今回、LINE NFTより新たに発表されたセールスパートナー制度では、パートナーとなった企業がLINE Xenesisの専任担当者のサポートのもとNFTの発行や販売を行っていくということで、NFT事業のさらなる規模拡大に拍車がかかるのではと期待されています。
これを受けて、今後LINE NFTではより多くのNFTコンテンツが取り扱われることが予想されるため、興味のある方はこの機会にLINE BITMAXで口座を開設し、LINE NFTで取引を行ってみてはいかがでしょうか。
中島 翔
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