今回は、アスリートソーシャルプラットフォーム「HEIR（エア）」について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏（Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12）に解説していただきました。
目次
- HEIR（エア）とは？
1-1．HEIR（エア）の概要
1-2．創設者のマイケル・ジョーダン氏
1-3．基盤となるソラナとは？ - HEIRのNFTコレクション「6 Rings」
2-1．「6 Rings」の概要
2-2．「6 Rings」のパブリックセール - まとめ
アスリート・ソーシャルプラットフォーム「HEIR」（エア）が22年3月4日、初のNFTコレクションをリリースしました。
「HEIR」（エア）は米バスケットボール界のレジェンドであるマイケル・ジョーダン氏と、その息子のジェフリー・ジョーダン氏が昨年12月に創設したスタートアップ「HEIR Inc.」によって開発された分散型アプリです。ファンとプロアスリートを繋ぐためのプラットフォームとなっています。
今回はHEIR Inc.が手掛けるアスリート・ソーシャルプラットフォーム「HEIR」（エア）について解説します。
①HEIR（エア）とは？
まず初めに、アスリートソーシャルプラットフォーム「HEIR」（エア）について、その基本的な事項を解説します。
1-1. HEIR（エア）の概要
HEIR（エア）とは、米バスケットボール界のレジェンドであるマイケル・ジョーダン氏と、その息子のジェフリー・ジョーダン氏が21年12月に創設したスタートアップ「HEIR Inc.」によって開発されたアスリートソーシャルプラットフォームです。HEIRは「エア」と発音し、「継承者」の意味と「エア・ジョーダン」のAIR（エア）に由来します。
基盤としてソラナ（SOL）ブロックチェーンが採用されており、プロアスリートがファンと交流するための分散型アプリとなっています。HEIRでは「HEIRトークン」というソラナブロックチェーンを活用した独自トークンが発行されるほか、ファンに向けた限定アイテムやNFTの展示場、限定動画やデジタルグッズ、没入型体験といった多岐に渡るコンテンツが提供される予定です。HEIRはアスリートなどのカルチャークリエイターたちが会員制のデジタル資産などを通じて世界中のサポーターとの関係を拡大・強化できるように設計されているとしています。
1-2. 創設者のマイケル・ジョーダン氏
HEIRは前述の通り、マイケル・ジョーダン氏と息子のジェフリー・ジョーダン氏が創設したスタートアップ「HEIR Inc.」によって開発されました。
マイケル・ジョーダン氏は、NBAの公式ウェブサイトにおいては「史上最高のバスケットボール選手」と評価されるとともに、バスケットボールの神様とも称されています。同氏は1980年代と1990年代にNBAを世界的なブームへと押し上げた最重要人物です。バスケットボールのみならず、スポーツというカテゴリにおいて世界的な文化の象徴となりました。現在はNBAの「シャーロット・ホーネッツ」の筆頭オーナーのほか、NASCARカップ・シリーズの「23XIレーシング」の会長も担っており、NASCARカップ・シリーズへの参戦も果たしています。
HEIR Inc.はテクノロジーとエンターテイメントに根ざした文化にインスパイアされた消費者ブランドを構築することを事業目標としており、ジェフリー・ジョーダン氏はナイキの元ブランドマネージャーとしても知られるJeron Smith氏などと共同で会社運営を行う方針です。
同社は資金調達も実施しており、これを主導したのは「Thrive Capital」で、「ソラナベンチャーズ」や「Reddit」の共同創設者Alexis Ohanian氏「シカゴ・ブルズ」の現役選手Lonzo Ball氏、「ニューヨーク・ニックス」の執行副社長William Wesley氏も参加したと発表されています。
このほか、マイケル・ジョーダン氏は21年3月に、「NBA Top Shot」のNFTを発行するDapper Labsの350億円調達ラウンドに、そして11月に実施されたメタバース「Mythical Games」の170億円調達ラウンドにも参加しており、以前から仮想通貨業界へのアプローチを見せていました。
1-3. 基盤となるソラナとは？
ソラナとは2020年3月、スイスのジュネーブに本社を置くソラナ財団によって正式にローンチされたブロックチェーンプラットフォームです。ソラナは急速に開発・利用が進んでいる数々のDAppsを、高い性能によって支えることを目的として開発され、そのプラットフォーム上では仮想通貨SOL（ソル）を発行しています。
ソラナの特徴としては、「PoH（プルーフ・オブ・ヒストリー）」と呼ばれる独自のコンセンサスアルゴリズムを用いており、トランザクションの高速化とコストの削減を実現しているため、スケーラビリティ問題を解決できると期待されています。
スケーラビリティ問題とは、ブロックに基準を超える量のトランザクションが書き込まれた際、取引処理に遅延が発生してしまうことで、イーサリアム（ETH）やビットコイン（BTC）など、初期のブロックチェーンにおいて問題となっています。
ソラナはスケーラビリティ問題を解消するスマートコントラクトプラットフォームとして、「イーサリアム・キラー」の筆頭株と期待されています。
②HEIRのNFTコレクション「6 Rings」
次に、HEIR（エア）の最初のNFTコレクションである「6 Rings」について、解説します。
2-1.「6 Rings」の概要
「6 Rings」とは、HEIRが22年3月4日にリリースした、同プロジェクトによる第一弾となるNFTコレクションです。
「6 Rings」は、90年代に「シカゴ・ブルズ」の選手としてマイケル・ジョーダン氏が獲得したNBAチャンピオンリングの数「6」を意味しており、「Rings」はマーベルの映画「シャン・チー／テン・リングスの伝説」の「リングス」からインスピレーションを受けたということです。また、同プロジェクトではシカゴ・ブルズのロゴである「雄牛」をイメージしたグラフィックが採用されています。
上に示した画像はNFTである「トロフィーケース」の一例で、今後は6 Ringsの保有者に対して、このトロフィーケースを配布する計画だと説明しています。
2-2.「6 Rings」のパブリックセール
今回登場したシカゴ・ブルズのアイコニックなチームロゴである“雄牛の頭部”を模したリングのNFTは、22年3月4日にパブリックセールが開始されました。NFTは、ブラック、レッド、ホワイト、プラチナ、ゴールドという5種類のカラーと、ホワイト、ブラック、ゴールド、レッドという4種類の背景が用意されており、それらを組み合わせた全16パターンが展開されました。販売価格は2.3SOLで、これはマイケル・ジョーダン氏の背番号「23」から採ったものだとみられています。 HEIRは元々、NFTの販売数を10,010枚と定めていましたが、短時間に完売できなかったこともあり、最終的には発行数を5,005枚に減らしたことを発表しました。
6 RingsのNFTは保有者をディスコード上で「創設ファン」と位置付け、保有者は今後「Huddles」というHEIRのコミュニティでアスリートと交流し、特別なコンテンツや限定グッズにアクセスする権利が得られるということです。
また、公式ホームページではすでに3名のプロバスケット選手が参加していることが示唆されています。
③まとめ
HEIRはバスケットボール界のレジェンドとも言われるマイケル・ジョーダン氏によって進められているプロジェクトで、大きな注目を集めています。今後はNFT保有者の限定コンテンツへのアクセス提供や新たなNFTのリリース、HEIRのiOSアプリのリリースなどを計画しているということで、ますます盛り上がりを見せるでしょう。
HEIRでのNFTの取引に必要な仮想通貨ソラナ（SOL）は、日本の仮想通貨取引所Liquid by FTXで購入できます。この機会に口座開設を検討してみてはいかがでしょうか。
中島 翔
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