今回は、犬系コインと括られるDOGEなどの仮想通貨について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- 犬系コインとは
1-1.犬系コインの概要
1-2.犬系コインの種類
1-3.犬系コインの特徴 - 犬系コインの現在の状況
2-1.ドージコイン(DOGE)
2-2.柴犬コイン(SHIB)
2-3.秋田犬コイン(AKITA)
2-4.シブヤイヌコイン(SHIBUYA INU) - まとめ
いまから約1年前に当たる21年10月頃、アメリカの有名実業家イーロン・マスク氏の発言等をきっかけとして暗号資産(仮想通貨)ドージコイン(DOGE)の価格が急騰するなど、いわゆる「犬系コイン」に一気に注目が集まりました。
当時、DOGEの価格は1年間で20,000%を超える価格上昇を記録するなど、業界全体で大きな話題となっていました。
それから一年以上経ち、DOGEは日本市場に進出。GMOコインやSBI VCトレードなどの取引所で取り扱いがなされています。そこで今回は、DOGEなど犬系コインについて、その現在の状況を詳しく解説していきます。
①犬系コインとは
1-1.犬系コインの概要
犬系コインとは、犬をモチーフにして生み出された「ミーム(ジョーク)コイン」のことを指します。
そもそも「ミーム」とは、インターネットのスラングで「モノマネ」や「ネタ」といった意味を持つ言葉で、犬系コインは一般的にある特定の仮想通貨を模して開発されたジョーク要素の強い通貨として知られています。
犬系コインは他の仮想通貨銘柄と比べても価格がかなり安くなっているほか、ボラティリティも大きいため、タイミングによっては大きな利益を上げられる可能性が十分にあると言われています。
実際に、冒頭でも触れた犬系コインの代表格と言われる「ドージコイン(DOGE)」はイーロン・マスク氏の発言などで価格が急騰し、22年10月19日時点においても時価総額約110億ドル(約1.5兆円)、時価総額ランキング10位にランクインしています。
1-2.犬系コインの種類
犬系コインにはさまざまな銘柄が存在しますが、主な銘柄は下記の通りとなっています。
- ドージコイン(DOGE)
- 柴犬コイン(SHIB)
- シブヤイヌコイン(SHIBUYA INU)
- 秋田犬コイン(AKITA)
- 紀州犬コイン(KISHU)
- 三州犬コイン(SANSHU)
- 甲斐犬コイン(KAIECO)
- 埼玉犬コイン(SAITAMA)
こう見ると日本の犬種をモチーフにしたものがほとんどであるため、日本人にとっても馴染みやすいコインであると言えるでしょう。
1-3.犬系コインの特徴
①価格が安い
前述の通り、犬系コインは他の仮想通貨銘柄と比べて価格が特に安く、最も人気の犬系コインであるDOGEでも、22年10月19日時点で0.05893ドル(8.79円)と、かなりの低価格になっています。
そのため、購入に多くの資金を用意する必要がなく、誰もが手にしやすいコインであると言えます。
②ボラティリティが大きい
犬系コインはビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの主要な仮想通貨銘柄と比較すると、時価総額や市場規模が小さいため、その分ボラティリティも大きくなっています。
つまり、大きな利益を上げられる可能性がある一方で、大きな損失を被る可能性もあるため、注意が必要です。
③種類が豊富
犬系コインはその種類の多さでも知られており、先ほど紹介したコイン以外にも多くの種類がリリースされています。
そのため、犬系コインの取引を考えている方は、プロジェクトの目的やそれぞれのコインが持つ特徴、ユースケースなどについてしっかりと把握し、その将来性を見極めることが大切です。
②犬系コインの状況
22年は8月にDOGEをはじめとする犬系コインの大幅な上昇が見られるなど、犬系コインのバブル再来かとも言われています。
ここでは、主要な犬系コインにフォーカスし、それぞれの現状を解説していきます。
2-1.ドージコイン(DOGE)
「ドージコイン(DOGE)」は、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が支持を繰り返し表明してきた経緯があります。そのため、マスク氏が10月27日に約6兆4,000億円でツイッター社の買収を完了すると、将来的なツイッターの仮想通貨関連機能や特にDOGE採用に向けた「思惑買い」により、ドージコイン価格は急騰しました。
また、DOGEの運営を担う「ドージコイン財団」は21年12月、22年以降の展望を整理したトレールマップを公表しています。これはドージコイン財団が公表した初めての詳細な計画で、今後の方向性としてはユーザーの利便性拡大に尽力することが挙げられました。このほか、今後は明確な開発方針や状況についても徐々に公開していくとしており、これまで以上のユースケース拡大が見込まれます。
実際、22年1月および5月にはイーロン・マスク氏率いる「テスラ」と「スペースX」においてDOGE決済が可能になるなど、今後その需要はさらに拡大すると見られています。
2-2.柴犬コイン(SHIB)
「柴犬コイン(SHIB)」もDOGEと同様、22年8月16日時点で価格が前日比2.86%高、前週比30.1%高と大幅な上昇を見せました。
SHIBは22年7月6日、レイヤー2ソリューションや独自のステーブルコインなどを含む開発計画を発表しました。SHIBの主任開発者であるShytoshi Kusama氏によると、ステーブルコインの「SHI」、リワード(報酬)・トークンの「TREAT」、メタバース計画「SHIB:TheMetaverse」およびコレクティブル・カードゲームプロジェクトが始動する予定だということです。
なお、SHIは22年内を目処にリリースされるほか、TREATはエコシステムに対する貢献者へのリワードとなるだけでなく、SHIの残高にも含まれるということで、TREATがSHIBのエコシステムに利益をもたらし、完全な分散化を促進するだろうと説明しています。
これらの計画が進めば、今後SHIBのユースケースはさらに拡大し、需要の向上が期待できます。
2-3.秋田犬コイン(AKITA)
「秋田犬コイン(AKITA)」は基本的に、DOGEやSHIBの価格と連動する傾向にあり、実際に22年8月半ば時点でもDOGEとSHIBに付随する形で価格の上昇が見られました。
AKITAは22年10月19日時点でテレグラムのメンバーが約1.6万人いるなど、ファンコミュニティが強いことでも知られており、コミュニティから生まれたアイディアをプロジェクトの計画に積極的に採用しています。
現時点で新たな計画は発表されていませんが、今後新たなプロジェクトの始動や取引所への上場があった場合、価格にもいい影響を与えると見られるため、引き続きその動向に注目していきたいと思います。
2-4.シブヤイヌコイン(SHIBUYA INU)
「シブヤイヌコイン(SHIBUYA INU)」は21年7月に誕生したばかりの仮想通貨で、ユーザーが自身でコインをバーンできるという特徴があります。そのため、バーン速度が特に速く、価格の伸びが大きいというメリットがあります。
また、22年3月には犬系コイン初となる、独自のゲーム系メタバースプラットフォーム「月渋谷~Moon Shibuya」の開発計画を発表しており、これが実現すれば、SHIBUYA INUのユースケースおよび需要は大幅に拡大すると見られています。
③まとめ
以前話題となった犬系コインは、現在もそれぞれのプロジェクト方針に従って進化を続けています。
元々はジョークとして生み出された犬系コインですが、その利便性の高さから徐々に明確なプロジェクト方針なども提示されるようになってきており、今後は犬系コインの新たな需要が生まれてくると見られ、あとは仮想通貨市場全体が盛り上がるかどうかにかかっているのかもしれません。
中島 翔
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