GMOコインで上場した仮想通貨ドージコイン(DOGE)とは?

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今回は、GMOコインに上場したドージコインについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. GMOコインとは
    1-1.GMOコインの概要
    1-2.GMOコインの特徴
  2. ドージコイン(DOGE)とは
    2-1.ドージコイン(DOGE)の概要
    2-2.ドージコイン(DOGE)の特徴
  3. ドージコイン(DOGE)の今後の展開
    3-1.GMOコインでの取り扱い開始
    3-2.決済手段としての活用
    3-3.ドージコインのリスク・課題
    3-4.ロードマップ
  4. まとめ

22年7月6日、国内の仮想通貨取引所である「GMOコイン」は、「ドージコイン(DOGE)」の取り扱いを開始しました。

ドージコインは最も有名なミーム(ジョーク)コインの一つとして多くの投資家から愛されており、コミュニティの結束が強いことでも知られています。

今回は、GMOコインで上場したドージコイン(DOGE)について、その概要や特徴、今後の展開を解説していきます。

①GMOコインとは

1-1.GMOコインの概要

GMO2
GMOコインとは、16年10月に設立された「GMOコイン株式会社」によって運営されている国内の仮想通貨取引所で、金融庁に「暗号資産交換業者」として登録されています。GMOコインは東証プライム上場企業である「GMOインターネット」のグループ会社で、GMOインターネットグループにおいて培ってきたノウハウを活かしたサービス提供を行っています。

1-2.GMOコインの特徴

①各種手数料が無料

GMOコインでは、口座開設手数料や即時入金手数料が無料となっているほか、仮想通貨送付手数料や出金手数料もかからないため、ユーザーはお得に取引を行うことができます。

②万全のセキュリティ体制

GMOコインは上場企業であるGMOインターネットのグループ会社であるため、長年培われてきたノウハウによって万全のセキュリティ体制を実現しています。

ユーザー資産のすべてをインターネットから隔離された「コールドウォレット」で管理しているほか、「マルチシグ(マルチシグネチャ)」システムを採用して不正アクセスを防ぐなど、数々のセキュリティ対策を講じています。

③取り扱い銘柄が豊富

GMOコインでは国内取引所最大規模の銘柄を取り扱っており、ユーザーは自身のニーズに合わせた柔軟な取引が可能です。

販売所の取扱銘柄

21種類:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、クアンタム、チェーンリンク、ポルカドット、エンジンコイン、テゾス、コスモス、エイダ/カルダノ、メイカー、DAI、ソラナ、ドージ、チリーズ、ザ・サンドボックス、ファイルコイン

取引所(現物)の取扱銘柄

23種類:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、モナコイン、ネム、クアンタム、チェーンリンク、ポルカドット、エンジンコイン、シンボル、テゾス、コスモス、エイダ/カルダノ、メイカー、DAI、FCRコイン、アスター、ソラナ、ドージ

取引所(FX)の取扱銘柄

5銘柄:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ

暗号資産FXの取扱銘柄

8銘柄:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、テゾス

④サービスの種類が豊富

GMOコインでは仮想通貨の販売所および取引所のほか、「貸暗号資産」や「つみたて暗号資産」など、他の取引所では取り扱いの少ないサービスを数多く提供しています。

貸暗号資産の取扱銘柄

26種類:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、モナコイン、ネム、クアンタム、チェーンリンク、ポルカドット、エンジンコイン、シンボル、テゾス、コスモス、エイダ/カルダノ、メイカー、DAI、ソラナ、ドージ、FCRコイン、アスター、チリーズ、ザ・サンドボックス、ファイルコイン

つみたて暗号資産の取扱銘柄

21種類:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、クアンタム、チェーンリンク、ポルカドット、エンジンコイン、テゾス、コスモス、エイダ/カルダノ、メイカー、ダイ、ドージコイン、ソラナ、ファイルコイン、ザ・サンドボックス、チリーズ

そのため、ユーザーは仮想通貨の売買のみならず、さまざまな方法での資産運用が可能となっています。

②ドージコイン(DOGE)とは

2-1.ドージコイン(DOGE)の概要

DOGE
ドージコイン(DOGE)とは、インターネット・ミームである「ドージ(Doge)」の柴犬をモチーフとした仮想通貨です。ソフトウェア開発者であるビリー・マーカス氏とジャクソン・パーマー氏によって13年12月に作成されました。現在はドージコインチームのメンバーが設立した「ドージコイン財団」によって運営されています。

ドージコインは元々、13年に日本の幼稚園教諭である佐藤敦子氏が個人ブログにおいて公開した柴犬の「かぼすちゃん」がモデルとなっており、かぼすちゃんの写真が世界中で爆発的な人気を博したことを受けて開発されました。

Kabosu chan

出典:かぼすちゃんとおさんぽ。

2-2.ドージコイン(DOGE)の特徴

①楽しく、使いやすい決済システムを目指した設計

ドージコインは、より動作がはやく、楽しめて、かつ送金手数料のかからない決済システムの実現を目指して設計されています。ソースコードはライトコイン(LTC)をベースにしており、ハッシュアルゴリズムに「scrypt」を利用しています。ブロック生成時間は約1分と、同じPoWを用いるビットコイン(10分)やライトコイン(2.5分)よりも短い特徴があります。

②発行上限が設定されていない

一般的な仮想通貨においては、発行上限を設定することで、需要と供給のバランスを保っています。一方でドージコインには発行上限がありません。

執筆時点にドージコインの発行量は1326.7億DOGEですが、年間で50億DOGEが採掘されています。ドージコインの開発者は、DOGEをガチホされるのではなく使用されることを望み、発行上限を撤回したと言います。ただし、DOGEは固定報酬のため、インフレ率の面では時間とともに低下します。2040年までにドージコインのインフレ率は2.4%になり、2060年までには1.6%になります。

③イーロン・マスクが推進して急騰

DOGEは、イーロン・マスク氏や米国の投資アプリRobinhoodのユーザー、そしてSNSである「Reddit(レディット)」といったオンラインコミュニティから圧倒的な支持を集めています。

Reddit上におけるDOGEのオンラインコミュニティには、約200万人以上の参加者が存在します。また、米EV大手テスラのCEOであるイーロン・マスク氏が支持を公言していることも、DOGEの人気の理由と言えるでしょう。

21年初頭にドージコインは5セント前後でしたが、米GameStop株の盛り上がりと同時期に上昇しはじめました。そして、同4月15日にマスク氏が有名なアート「月に吠える犬(Dog Barking at the Moon)」の画像をもじってツイートすると、過去最高の44セントに達しました。

③ドージコイン(DOGE)の今後の展開

3-1.GMOコインでの取り扱い開始

22年7月5日、国内の仮想通貨取引所である「GMOコイン」が「ドージコイン(DOGE)」の取り扱いを開始することを明らかにしました。GMOコインでの取り扱いは、7月6日の定期メンテナンス後の16時30分から「販売所」と「つみたて暗号資産」で開始されています。

今回の上場を機に、さらに多くの投資家がドージコインの取引を行い、ユーザー層の拡大が期待されています。

3-2.決済手段としての活用

連続起業家のイーロン・マスク氏はこれまで、自身がかかわる事業の製品やサービスの決済方法に、ドージコイン(DOGE)を加える動きを示してきました。テスラ社では22年1月にテスラグッズを、ドージコインで決済するオプションを導入しました。

同氏はまた、22年5月には、スペースX社のグッズ商品を購入できるようになるとツイートしています。

またマスク氏率いる米トンネル掘削企業The Boring Company(ボーリングカンパニー)でも、ラスベガスの地下高速交通システム「Vegas Loop」で仮想通貨ドージコイン(DOGE)が運賃として利用可能になっています。

3-3.ロードマップ

DOGE 3
ドージコイン財団は21年12月23日、ロードマップ「Dogecoin Trailmap」を公開しました。

このロードマップではドージの新規プロジェクトが提案されており、公式ウェブサイトの変更や「ドージコイン・スタンダード」と呼ばれる仕様書の作成、コミュニティステーキングの導入などが挙げられています。

例えば、RadioDogeは低コストの無線技術(HF/LoRaWAN)と世界的な衛星ネットワークStarlinkを組み合わせて、通常のインターネット・インフラが届かない場所に住む人でも、ドージコインの使用を可能にするものです。ドージのコア開発者Michi Lumin氏は、RadioDogeの最初の取引についてツイートしました。

ドージコインはこれまでロードマップを公開してきませんでしたが、今回明確な方向性が示されたことによって、さらに需要が高まるのではと期待されています。

3-4.ドージコインのリスク・課題

ミームコインの代表格としても知られるドージコインは、アメリカで最も著名な実業家の一人であるイーロン・マスク氏からも大きな支持を受けています。一方で、投資家の中には、ドージコインの宣伝とも受け取れるマスク氏の行動に対して、訴訟を起こす事例も出てきています。22年6月16日にはイーロン・マスク氏および彼が運営している「スペースX」と「テスラ」に対して、ドージコインを使用したネズミ講詐欺を働いたとして集団訴訟が提起されました。

イーロン・マスク氏は自身のTwitterにおいて、ドージコインへのサポートを引き続き行っていく姿勢を示しています。現在のところ、仮想通貨業界もこの事例を重大テーマとしては考えていませんが、仮にSEC(米証券取引委員会)が調査に乗り出すともなれば状況は一変するでしょう。そうした規制上のリスクに晒されていることもドージコインのおさえておくべき課題です。

④まとめ

ドージコインはミームコインの代表格として知られており、多くの著名人ファンを抱える人気の仮想通貨となっています。決済スピードの速さや手数料の安さから、利便性の高いコインとなっており、今後は決済手段などとしての導入も期待されています。

ロードマップによると今後もさまざまなプロジェクトが控えているため、興味のある方はGMOコインで口座を開設し、ドージコインの取引を行ってみてはいかがでしょうか。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12