カイカ証券(旧eワラント証券)のビットコイン・レバレッジトラッカーとは?【証券口座でビットコイン投資ができる】

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今回は、ビットコインレバレッジトラッカーについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. カイカ証券(旧eワラント証券)
    1-1.カイカ証券とは?
    1-2.カイカ証券の提供サービス
    1-3.eワラントとは?
  2. ビットコインレバレッジトラッカーの仕組み
    2-1.ビットコインレバレッジトラッカーとは?
    2-2.カイカ証券以外での取り扱い
    2-3.最大年率3%の「仮想通貨を貸して増やす」サービス
  3. ビットコインレバレッジトラッカーの特徴
    3-1.優遇税制が適用される
    3-2.仮想通貨取引所よりも高いレバレッジ運用が可能
  4. まとめ

現在の日本の仮想通貨取引の規制環境は、トレーダーにとって決して恵まれたものではありません。というのも、認可された仮想通貨取引所においては最大レバレッジが2倍に制限されています。税率に関しても総合課税が適用され、所得税と住民税を合わせた課税率は最大で55%も上るからです。

ふと視野を広げると、証券会社でも実質的に仮想通貨のトレードを行う方法があります。それが今回ご紹介するカイカ証券の「ビットコインレバレッジトラッカー」というeワラント商品です。この商品を利用することでビットコイントレードを実質的にレバレッジ2倍以上でトレードができ、税制面においてもFXのデリバティブトレードと同じ税率の適用がされます。そこで今回は、カイカ証券の「ビットコインレバレッジトラッカー」について解説します。

カイカ証券(旧eワラント証券)

まずは、ビットコインレバレッジトラッカーを取り扱うカイカ証券についてご紹介します。

1-1. カイカ証券とは?

カイカ証券(旧eワラント証券)は2009年9月にゴールドマン・サックス証券からeワラント事業を譲り受ける形で設立した会社です。2011年から個人投資家向けにeワラント商品を設計販売しています。2018年2月には株式会社CAICAが100%の株式を保有し、2021年11月1日からは社名も「カイカ証券」に変更されています。

1-2. カイカ証券の提供サービス

カイカ証券が個人投資家向けに提供しているサービスは、以下の2種類のサービスとなります。

  1. eワラント:
    eワラント・ニアピン・トラッカー・スプレッドの4タイプのeワラント商品。ビットコインレバレッジトラッカーはこの1種
  2. CFD
    日本株や仮想通貨のCFD

1-3. eワラントとは?

カイカ証券が取り扱いを行っているeワラントとはどのような商品なのでしょうか?
ワラントとは当該企業の株式をあらかじめ定められた価格で購入することができる権利のことをいいます。

例えばある企業の株を一株3000円で購入できる権利、つまり、ワラントを買ったとします。そのワラントを一株5000円の時に売却することで、2000円の利益を手にすることができるという仕組みとなります。

未来の権利を手に入れるという点においてはオプションと非常によく似ていますが、ワラントはオプションを有価証券化している点でオプションとは異なる商品とされます。また、ワラントはオプションよりも一口あたりの最低投資元本を小口化しているため、数千円から数万円の少額から取引が可能となります。そのワラントを電子的に発行しているためワラントの前に「e」がつき、eワラントと呼ばれています。

②ビットコインレバレッジトラッカーの仕組み

次にビットコインのeワラントの一つである「ビットコインレバレッジトラッカー」について解説します。

2-1. ビットコインレバレッジトラッカーとは?

カイカ証券のビットコインレバレッジトラッカーとは、ビットコインの値動きにレバレッジを効かせて取引ができるeワラントです。

ビットコインレバレッジトラッカーは、100万ワラント当たりの値動きがビットコイン先物(リンク債)の値動きのほぼプラス5倍またはほぼマイナス3倍となります。プラスの場合には実際のビットコイン先物の値動きの5倍の大きさで動いたのと同様の損益、マイナスの場合には実際の先物ビットコインの値動きの3倍の大きさで動いたのと同様の損益を享受することを意味します。

つまり、ビットコイン先物の値動きがプラスの場合はレバレッジ5倍、マイナスの場合はレバレッジ3倍を使用したトレードと同じ効果を得られるのです。また、オプション取引と同様に証拠金取引とは異なり最大損失が投資元本までに限定されているため、追証は発生しません。

さらにビットコインレバレッジトラッカーはワラントあたりの価格が30円前後となるように設計されているため、1万円程度の金額からビットコイン相場でレバレッジトレードが可能となります。

カイカ証券のレバレッジトラッカーではビットコイン以外にもイーサリアムや、夜間日経平均、ダウに連動する商品も用意されています。

2-2. カイカ証券以外での取り扱い

ビットコインレバレッジトラッカーはカイカ証券以外での取り扱いもあります。

SBIグループに属するSBI証券では、「ビットコイン先物インデックストラッカー」と「イーサリアム先物インデックストラッカー」としてカイカ証券が開発した当商品の取り扱いも行われています。

③ビットコインレバレッジトラッカーの特徴

最後にビットコインレバレッジトラッカーの特徴について解説します。

3-1. 優遇税制が適用される

仮想通貨トレードによる利益計算は、総合課税方式の枠組みとなります。つまり、給与所得などの他の所得と合算して累進課税率が適用されます。2021年11月現在の総合課税の累進税率は以下の通りです。

累進課税の最大税率は所得税45%+市民税10%の合計55%が適用されます。仮に仮想通貨取引で1億円の所得があった場合は、5,500万円の納税が必要で4,500万円が手元に残る計算となります。

さらに総合課税は、給与など別の所得と合算される点にご注意ください。例えば給与所得が500万円で仮想通貨取引の所得が500万円の場合は1,000万円の税率(33%)が適用されます。つまり、給与所得の500万円に対しても33%の税率で納税する必要が生じます。給与所得だけであれば税率は20%なのに、仮想通貨投資利益と合算したために33%の税率が課されるのです。

一方で日本国内の株やFX取引に関しては、分離課税が適用され所得税と住民税合わせて20.315%の優遇税率が適用されます。そしてビットコインレバレッジトラッカーの場合は、株やFXと同様の分離課税が適用されるため、ビットコインかイーサリアムのトレードをする場合はトレーダーにとって強い味方となると思います。

3-2. 仮想通貨取引所よりも高いレバレッジ運用が可能

国内の仮想通貨取引所では最大レバレッジが2倍までと制限されていますが、ビットコインレバレッジトラッカーを使用した場合は、ロングポジションに関しては5倍、ショートポジションに関しては3倍のレバレッジ運用が可能です。

少額資金から利用できるということとこの高いレバレッジを合わせて考えると、かなり資金効率の良いトレードが行えると考えることができます。

④まとめ

ビットコインレバレッジトラッカーを使うことで、税制面・レバレッジのメリットをご紹介しました。他にも、トレードのオプションが増える事は間違いありません。ヘッジファンドの投資戦略の一つであるイベントドリブン戦略など、大きな値動きが予想されるタイミングに少ない資金で大きなレバレッジをかけたトレードを行うなどの使い方が可能です。この機会にカイカ証券の口座を開設しておく事をお勧めします。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12