今回は、CLONE Xについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- CLONE Xとは?
1-1. CLONE Xのコンセプト
1-2. 豪華な制作チーム
1-3. 現代美術家の村上隆氏の参画 - CLONE Xの特徴
2-1. 20,000体のアバター
2-2. 8種類に分類されるDNA<
2-3. アバターのカスタマイズが可能
2-4. CLONE Xを保有すると様々な特典がある - The Sandboxとの提携
- まとめ
22年も引き続きNFT(非代替性トークン)市場が盛り上がる中、現代アーティストの村上隆氏が参画している「CLONE X(クローン・エックス)」というNFTコレクションの人気が高まっています。
世界最大級のNFTマーケットプレイス「OpeaSea」で、Clone Xは4月10日時点に過去7日間の出来高ランキングで第1位を獲得するほどに注目が高まっています。そこで今回は人気急上昇中のNFTコレクション「CLONE X」について、その概要や特徴を解説します。
①CLONE Xとは?
1-1. CLONE Xのコンセプト
CLONE Xは21年10月にリリースされたNFTコレクションです。メタバースへの実装を視野に入れた、高品質なアバターとなっています。
CLONE Xの名前は、りゅう座の惑星から到来した3体の地球外生命体の組織名「CLONE X Corp」に由来します。彼らはすべての地球人を非物質的な存在に変換し、究極の仮想空間(メタバース)を創り上げることを計画している!、というストーリーです。
CLONE X Corpは高度な技術力により、人間を現在のような有機的な形ではなくデジタルな「CloneXアバター」に変換します。これらのアバターはカスタマイズが可能で自由に自己表現ができます。
1-2. 豪華な制作チーム
CLONE Xは、デジタルファッションNFTブランドである「RTFKT(アーティファクト)」と、日本の著名な現代美術家である村上隆氏がタッグを組んで制作されたNFTコレクションです。
RTFKTとは、広告業界やVR、eスポーツの分野で経験を積んだ仏出身のブノワ・パゴット氏を含むチームによって設立されたバーチャルファッションブランドです。主にメタバース(仮想空間)で着用可能な服や靴などのファッションアイテムを取り扱っています。
なお、RTFKTの代表的なプロダクトがスニーカーです。RTFKTは21年12月に世界的なスポーツブランド「NIKE(ナイキ)」に買収されました。このタッグにより、NFT業界に新たなムーブメントを巻き起こすことが期待されています。
RTFKTの設立の背景には、現状の過熱したスニーカー産業に対する創業チームの鋭い視点が窺えます。というのも、高価なスニーカーを購入する人の多くは一度も履くことなく転売しているのが実態です。それならば、バーチャルのスニーカーを取引することでも人々の需要を満たせるのではないか、という発想に基づいてRTFKTをスタートさせたと言います。
高値で取引されているRTFKTのスニーカー
現在OpeaSeaにおいて最も高値で取引されているのは、アメリカのゲーム会社「Atari」とコラボレーションしたアイテムです。22年4月2日時点で502万ドル(約6.1億円)となっています。
【関連記事】:メタバースにおけるファッションの重要性
1-3. 現代美術家の村上隆氏の参画
世界的に著名な現代美術家の村上隆氏は、CLONE Xにおけるアバターの目や口、髪型や服といった各パーツのデザインを担当しました。
村上隆氏が初めてNFTをリリースしたのは21年3月で、自身の代表作「お花」をモチーフにした「108 Earthly Temptations」を発表しました。しかしその後、自身のNFTに対する知識不足などの理由から、たったの11日間で作品の販売を中止しています。
そして今回、2度目の挑戦として、RTFKTとともにCLONE Xをリリースすることになったというわけです。
②CLONE Xの特徴
次に、 CLONE Xの特徴について解説します。
2-1. 20,000体のアバター
CLONE Xのアバターは、先行販売と一般販売で合計2万個用意される予定です。現在はプレセールにて11,133体が販売された状態になっており、パブリックセールにて残りの8,367体が販売される予定です。なお、プレセールでは0.05ETH(約2万1,000円)で販売されていましたが、パブリックセールでの販売価格はまだ公開されていません。
2-2. 8種類に分類されるDNA
CLONE Xには8種類のDNAが存在し、それぞれのレアリティ(希少性)はさまざまです
- Human(人間)/ Robot(ロボット)/Angel(天使)/Demon(悪魔))Reptile(爬虫類)/Undead(ゾンビ)/Alien(宇宙人)/MURAKAMI(ムラカミ)
全体の半分は人間であり、ロボットはクローンの総供給量の約30%を占めています。CloneXには、天使と悪魔(それぞれ約8.75%)、爬虫類(1.25%)、アンデッド(0.6%)、村上(〜0.5%)が含まれますが、最もレアなのはエイリアン(0.15%未満)です。
CloneXには2つのライセンスタイプがあり、全体の約15%にあたる「村上ドリップ特性(Murakami Drip Traits)」があるものには商用ライセンスが付属しません。この特性がない85%のCLONEのオーナーは最大100万米ドルまで商用利用することができます。
2-3. アバターのカスタマイズが可能
CLONE Xでは、アバターを様々なアイテムで自由にカスタマイズできます。現実世界でファッションを楽しむのと同様に、メタバースの世界でもファッションを通して自己表現ができるようになっています。
RTFKTはバーチャルファッションとして多岐に渡るNFTアイテムを展開しており、市場で代表的なNFTコレクション「CryptoPunks」とのコラボスニーカーなども存在します。ユーザーはこれらのアイテムを駆使し、自身の好みにあったアバターを創り上げることができます。
2-4. CLONE Xを保有すると様々な特典がある
CLONE XはNFTの保有者に様々な特典を用意しています。NFTを展示したり他のユーザーと交流したりすることが可能な「Space Pod」と呼ばれるルームNFTを、エアドロップする予定です。
また、クローン保有者は村上隆氏による新作NFT「Murakami Flowers」のホワイトリストに登録可能とされました。注目度の高いNFTセールに優先的に参加できる権利となります。
③The Sandboxとの提携
次に、CLONE Xの今後の展開について解説します。
CLONE Xは22年2月、ボクセルアートを使用したメタバースプロジェクト「The Sandbox」との提携を発表しました。CLONE XのNFTを保有しているユーザーは今後、The Sandboxのメタバース内でアバターを利用できるようになります。
両者はThe Sandboxのボクセル仕様のCLONE Xアバターを制作しています。さらに、RTFKTが展開する他のNFTコレクションもボクセル化を進めていく計画です。今後、さらに多くのアイテムがThe Sandboxで利用できるようになると期待されます。
④まとめ
CLONE Xは自身を投影したアバターであり、資産価値の担保が可能なNFTアイテムでカスタマイズできる新しいタイプのNFTコレクションです。今後はThe Sandboxを始めとする様々なプラットフォームでCLONE Xのアバターが利用可能になると報告されており、期待が高まっています。CLONE Xの世界を存分に楽しむためにも、この機会にまずは国内取引所で口座を開設してみてはいかがでしょうか。
中島 翔
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