ブロックチェーン・Web3.0の時代は本当に到来するのか?人類・世界の発展の仕方から考える

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本記事では、株式会社ICHIZEN HOLDINGSの代表取締役である水野倫太郎氏から寄稿をいただき、Web3.0の未来についてご紹介します。ICHIZEN HOLDINGSは、Web3事業の支援や地方創生事業を手掛けるインキュベーション企業であり、水野氏の視点から、今後のWeb3.0やブロックチェーン技術の可能性について考察いただきました。

目次

  1. 人類・世界の発展の仕方は3種類
    1-1. 人類・世界の発展の仕方①:空間の拡張
    1-2. 人類・世界の発展の仕方②:時間の拡張
    1-3. 人類・世界の発展の仕方③:空間・時間あたりの密度の拡張
  2. 理想と現実とこれから

2021年の仮想通貨バブルを機に、Web3.0・ブロックチェーン・NFTは世界的に注目を集め、その勢いのままマスアダプションが進むのではないかと思われていたWeb3領域。昨今では、その話題性はすっかりAIの進化に取って代わられていると思います。実際、VCによる出資もWeb3領域への出資が減少し、AI領域が顕著に増加しています。

2030年に、815億米ドルにまで市場規模が拡大されるとまで予想されているWeb3.0市場ですが、本当に将来Web3.0・ブロックチェーンの時代は来るのでしょうか?

多くの人が漠然と到来するだろうと考えられていると思いますが、Web3.0領域の一事業者がWeb3.0・ブロックチェーンが来ると信じている、そう考えている理由をポジショントークましましでお話しします。あくまで考え方の1つとして捉えていただければと思います。

人類・世界の発展の仕方は3種類

私がWeb3.0・ブロックチェーンの時代が今後来ると考えているのは、端的に「これからの人類・世界の発展の仕方に最も適している」からです。

人類・世界の発展の仕方とはどのようなものか。これを過去・現在・未来から考えてみると世界の発展の仕方は3種類に大別できます。

人類・世界の発展の仕方①:空間の拡張

1つ目の発展の仕方は、「空間の拡張」です。これは端的に、人類の活動範囲が広がることを指します。

元々大陸で暮らしていた人類は、ハシゴなど何かしらの道具を活用し、様々な場所へリーチできるようになったり、様々な大陸に渡ったり、人口の増加に伴って海を埋め立てたり、高層ビルを建設し効率的に空間を活用したり・・・様々な形で人類は活動範囲を拡張し、発展してきました。

現代では、宇宙空間までも活動区域を広げることを目指し、そして仮想世界であるメタバースにまで広げていこうとしています。余談ですが、私はメタバースには「空間の拡張」が無限にできる「無限の拡張性」という性質があるため、Web3.0と同じようにいずれ時代が到来すると思っています。

人類・世界の発展の仕方②:時間の拡張

2つ目の人類・世界の発展の仕方は、「時間の拡張」です。これは分かりやすく、人類の寿命が伸びることです。

人間が何かの活動をするのは、基本的に自分の欲求を満たすためだと思います。自分自身の寿命が伸びることは、自分の欲求を満たす機会の絶対数を増やすことができます。

1600年頃の江戸時代では平均寿命は30歳程度でしたが、2022年では男性81.09歳・女性87.14歳と、400年で平均寿命は約2.7倍にまで拡大しました。シンプルに考えると、欲求を満たすための機会が2.7倍生まれるので、その分世界は発展に近づくと思います。某国民的マンガのように、傲慢な人類が目指す究極の最終系が「不老不死」であることからも、人生の長さは幸福に直結しやすいと思います。

寿命が伸び、活動時間が増えることで1人の人間が生み出す価値の総量・幸福の量が増え人類は発展してきましたし、今後も発展していくと思います。

人類・世界の発展の仕方③:空間・時間あたりの密度の拡張

最後に、3つ目の人類・世界の発展の仕方は「空間・時間あたりの密度の拡張」です。まず、この密度に関しては”主観的な密度”と”客観的な密度”の2つが存在します。

主観的な密度は、今この瞬間に考えている思考量です。これは突き詰めると、どのように生きるか、どうあるべきかという哲学的な話に行き着きますのでここでは割愛します。客観的な密度は、その瞬間・その空間に対してどれだけの価値が発生したかです。つまり、どれだけのトランザクションが生まれたかです。

経済の根幹であり、人類が誕生した当初から行なっている「交換=取引」。様々な形で限界的に成り立っていた経済というものは、貨幣の誕生からより自由な取引を行うことができるようになってきました。どんどん技術が進歩し、人の持つちょっとした欲求を早く・安く満たせるところまで来ています。「供給能力」・「交換手段」これらが発展すればするほど、人間の欲求を満たすことが可能になります。

そして、ブロックチェーンは、この密度を最大限に拡張することが出来ます。ブロックチェーンを用いることで、存在しているが目に見えないものの価値を可視化したり、他の価値あるものと紐づけることが可能になりました。また、仮想通貨は0.00000000001円(よりももっと小さく)という単位でマイクロペイメントを実現できるようにしてくれました。

つまり、ブロックチェーンは、この世に存在するありとあらゆるものを取引可能にしてくれたのです。空間・時間あたりの密度の拡張を行い、トランザクション・取引の最大化をすることで、人の欲求を満たす回数を最大化し、世界は発展していくと思います。

理想と現実とこれから


このように、そもそも世界の発展の仕方を広義に考えるとブロックチェーン・Web3.0という技術は、文明的に・物質的に豊かになってきている現代ではさらなる発展を遂げるために最適なツールの1つだと考えています。

とはいえ、Web3.0、特にトークンを用いた事業やプロジェクトは、インセンティブを用いた射幸性をいかに煽るかを考えたものがほとんどです。市場参加者のほとんどが、次のDOGE・STEPNを探そう、作ろうと血眼になっています。大企業による取り組みも増えてきていますが、大企業ならではの制約の下、クリティカルなものを構築するのはまた段違いにハードルが高く感じています。

一方で、自治体による活用には将来的にかなり可能性を感じています。人々の善意や貢献をブロックチェーンで可視化し、地域に活かしていくなどブロックチェーンを使うからこそできる可能性があります。

次の記事では、いずれ時代が来るであろうブロックチェーン・Web3.0と地方創生の相性について考えていきます。

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水野 倫太郎

株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役。株式会社ICHIZEN HOLDINGSは、「WEB3で価値を可視化し、流動性を生み出す」をミッションに、WEB3事業の支援を行うWEB3.0インキュベーション企業です。WEB3.0を活用した新規事業の企画立案から、WEB3.0の開発、貢献/貢県を可視化するNFTマップ「デジさと」や「WEB3地方創生ねっと」を用いた地方創生事業、メタバース空間の開発等を行っています。