Meta(旧Facebook)出身者が手掛けるブロックチェーン「Aptos (APT)」とは?

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今回は、「Aptos (APT)」ブロックチェーンについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. Aptos(APT)とは
    1-1.Aptos(APT)の概要
    1-2.仮想通貨としてのスペック
    1-3.APTのトークノミクス
  2. Aptos(APT)の特徴
    2-1.高速なトランザクション処理が可能
    2-2.プログラミング言語「Move」の採用
    2-3.大規模な資金調達に成功
    2-4.ステーキングが可能
  3. Aptosの今後の計画
    3-1.テストネット「AIT4」
    3-2.取引コストを抑える
    3-3.待機中のdApps
  4. まとめ

22年10月18日、新たなブロックチェーン「Aptos(アプトス)」のメインネットがローンチされ、注目を集めました。

Aptosはローンチの翌日となる19日に、コインベース(Coinbase)やバイナンス(Binance)といった主要な暗号資産(仮想通貨)取引所に一斉に上場され、バイナンス、FTX、OKXにおいてはデリバティブ取引がローンチされました。

①Aptos(APT)とは

1-1.Aptos(APT)の概要

Aptos
「Aptos (APT)」とは、Aptos Labs(アプトス・ラボ)によって開発が行われているレイヤー1ブロックチェーンおよびそのネイティブトークンです。

Aptos Labsとは、22年2月に「Meta(旧Facebook)」のメンバーで、仮想通貨プロジェクト「Diem(ディエム)」にも参加していたモー・シャイフ(Mo Shaikh)氏およびエイブリー・チン(Avery Ching)氏によって立ち上げられたプロジェクトです。

Aptosは約3年間にわたって、世界中の350人を超えるデベロッパーにより開発が進められておりスケーラブルなレイヤー1ブロックチェーンをより多くの人に提供することを目的として開発をされています。

1-2.仮想通貨としてのスペック

APTの仮想通貨としてのスペックは下記の通りです。

ティッカーシンボル APT
価格(22年11月28日現在) 4.40ドル(約610円)
時価総額 約5.7億ドル(約793億円)
時価総額ランキング 64位
循環サプライ 1.3億APT
発行上限 10億APT

1-3. APTのトークノミクス

APTの最初の総供給量は10億トークンです。このうち、コミュニティへの割り当て(5.1億APT)から1.25億APTが最初にリリースされ、残りは10年かけて1/120ずつ毎月配布されます。これらは助成金やインセンティブなどに利用され、一部のトークンはすでにAptos上において構築されているプロジェクトに割り当てられており、一定のマイルストーンを達成した際に配布される形となっています。

また、コミュニティの割り当てのうちの2,007万 APTは、インセンティブテストネット運用やテストネット版NFT(APTOS:ZERO)ミントに参加した110,235ウォレットに無料配布されました。その他、Aptosはトークン配布計画である「トークノミクス」の詳細は下記の通りです。

  • コミュニティ:51.02%(約5.1億APT)
  • コアコントリビューター:19.00%(1.9億APT)
  • 財団:16.50%(1.65億APT)
  • インベスター:13.48%(約1.34億APT)

なお、公開された文書によると、Aptos財団の割り当てから、運営費用として最初に5,000,000 APTが利用可能になり、残りは10年かけて毎月配布されます。ほとんど全ての初期投資家はAPTの割り当てがロックアップされており、数年かけて権利を確定させる契約条件が盛り込まれています。

②Aptos (APT)の特徴

2-1.高速なトランザクション処理が可能

Aptosは、ユーザビリティ、スケーラビリティ、安全性、アップグレード可能性を原則に設計されています。トランザクション処理に対する独自の並列化およびパイプライン化アプローチにより、Aptosブロックチェーンは、利用可能なあらゆるハードウェアリソースを効率的に活用するように設計されています。

Aptosではトランザクションの実行とコンセンサスを切り離して行う、「Block-STM (Software Transactional Memory)」と呼ばれるスマートコントラクト用のマルチスレッド型メモリ内並列実行エンジンはその一つです。これにより異なるメモリ位置にアクセスするトランザクションを、常に並行して実行することができます。その結果、下記のような複数の処理を同時に行うことが可能です。

  • 取引の許可
  • 並行取引の実行
  • 取引の認証
  • ブロックメタデータの順序付け
  • バッチストレージ

Block-STMは、独自の協調スケジューラを用いて、検証タスクと実行タスクをスレッド間で調整し、トランザクションのタスクの実行と検証を処理しています。トランザクションの種類によって、複数のプロセッサコアが動作するため、演算速度が向上します。

2-2.プログラミング言語「Move」の採用

Aptosはスマートコントラクトプラットフォームとして、「イーサリアム(ETH)」や「ソラナ(SOL)」をはじめとするレイヤー1ブロックチェーンと競合する形となります。

AptosではMeta(旧Facebook)の仮想通貨関連プロジェクトとして知られる「Diem(ディエム)」で開発されたプログラミング言語「Move」を採用しています。Moveはイーサリアムのスマートコントラクト言語(Solidity)やソラナの言語(Rust)の技術者が1~2日で習得可能とも報告されており、既存のネットワークからより多くのデベロッパーを集めることが可能であることから、大きな注目を集めています。

2-3.大規模な資金調達に成功

Aptosは22年3月、a16z cryptoがリードインベスターを務めた資金調達ラウンドにおいて2億ドル(約230億円)を調達しており、バイナンスのベンチャーキャピタル部門バイナンスラボも参加しました。さらに同年7月には「FTX Ventures(FTX ベンチャーズ)」がリードしたシリーズA資金調達ラウンドにて1億5000万ドル(約204億円)以上の資金を調達するなど、これまでに3.5億ドル(約522億円)を超える大規模な資金調達を成功させています。

2-4.ステーキングが可能

APTトークンはステーキングが可能となっているため、投資家はAPTの保有からインカムゲインを狙うことが可能です。発表によると、リリースされたAPTトークンの内の多くは、ネットワークを保護することを目的としてメインネット公開の際にステーキングが行われており、その割合はネットワーク上のトークンの約82%を超えているということです。

APTトークノミクスによると、初期投資家向けに配分され、まだロックされているトークンステーキングが可能となっています。ステーキング報酬はすべて30日ごとに配布可能になるシステムで、最大報酬率は当初年率7%に設定されており、下限値3.25%まで毎年1.5%ずつ減少する仕組みです。なお、競合として引き合いに出される「ソラナ(SOL)」と比較すると、ソラナの当初年率は8%で、毎年15%ずつ減少し、長期的には1.5%に固定される仕様となっています。

③Aptosの今後の計画

現在メインネットは稼働していますが、執筆時点のTPSは7程度に留まるなど、潜在能力をフルに発揮している訳ではありません。Aptosの共同創設者Mo Shaikh氏によると、これは計画に沿ったもので、初期段階で稼働しているプロダクトが限られていることが原因です。

今後、ネットワークを保護するバリデーター群も順次追加されていき、それに合わせてプロダクトを解放することで、徐々にエコシステムを充実させていくアプローチを取っています。

3-1. テストネット「AIT4」

Aptosのメインネットは、過去3回のテストネット期間を経て、22年10月18日にローンチされました。また、メインネットローンチ後に次のテストネット「AIT4」が実施されます。

ALT4の目的は、分散型サービス拒否 (DDoS) 攻撃に対する Aptosの回復力を検証するために、できるだけ多くのバリデーターを集めること、そのためインセンティブ(報酬)が用意されます。

3-2. 待機中のdApps

AptosのテストネットALT3では200を超えるテストネット用コミュニティーノードの運用が行われており、NFTやDeFi、インフラ関係など、エコシステムに参加予定のプロジェクトが多数存在します。

APT

Aptosメインネットにおいて、初期段階から稼働してNFTに関連するプロダクトで、主にソラナからプロジェクトやアクティブトレーダーAptosに移行していると見られています。中でもNFTマーケットプレイスTopazは、ローンチからわずか5日で約3億円(200万ドル)の累積取引量を達成し、現在も支配的なポジションを維持しています。

これまでソラナなどの別のブロックチェーンで活動してきたWeb3(分散型ウェブ)プロジェクトが、Aptos向けにプロダクトをローンチしていることが報じられています。代表例には、NFT取引プラットフォームSouffl3、資金管理プラットフォームRise Walletなどがあります。

上図は、Aptosエコシステムでリリースを控える融資プラットフォームのリストです。現段階では、利用可能なdAppsは限られているものの、今後のエコシステム拡大に大きな期待が集まっています。

④まとめ

Aptosは22年10月18日にメインネットがローンチされたばかりのかなり新しいブロックチェーンですが、その性能の高さからすでに大きな注目を集めています。Aptos Labsが開発したPetra Walletは、11月15日にユーザー数33万件を突破しました。

Aptosはこれまでに3.5億ドル(約522億円)を超える大規模な資金調達を成功させており、世界における著名な企業やプロジェクトが多数参画していることからも、将来性が非常に期待されています。今回のメインネットローンチを受けて、APTトークンがコインベースやバイナンス、FTXなどといったグローバル規模の仮想通貨取引所へと次々に上場されているため、興味のある方は一度取引を行ってみてもいいかも知れません。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12