NFTとは、Non Fungible Tokenの略で、日本語では「非代替性トークン」と表されます。NFTは暗号資産業界で急速に発展を続けているトレンドの一つで、アート、音楽、スポーツ、ゲームなどの分野でも大きな注目を集めています。ブロックチェーン分析会社Chainalysisのレポートによると、2021年のNFT総取引額は409億ドル(約4兆7,100億円)以上と言われています。
NFTは、ブロックチェーン技術を利用することで、作品一つ一つに識別子が与えられているため、複製不可能となっています。ではなぜ、この「非代替性」という特徴を持ったNFTは、人々をこれほどまでに熱狂させるのでしょうか。「NFTなんて高価なJPEG画像に過ぎない」と懐疑的な見方をする人もいる中で、なぜ一見シンプルなデザインのピクセル画像が、何十万ドル以上もの金額で取引されているのでしょうか。
この記事では、NFTに価値を与えているものは何か、そしてNFTの購入の仕方などについて解説していきたいと思います。順番に見ていきましょう。
なぜNFTに価値が生まれるのか
NFTの特徴である非代替性とは、替えが効かないことを意味します。各NFTには、他のNFTと区別できる情報が含まれているため、その作品は世界に一つしか存在しないことが証明されています。これが、デジタル資産上に価値をもたらします。
実際の例を挙げてみましょう。現実の世界では、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品である「モナ・リザ」は世界に一つしか存在しません。本物は、パリのルーブル美術館に展示されているものただ一つです。しかし、世界中にはモナ・リザのコピーを持っている人はたくさんいます。そのうちの誰かが「ルーブル美術館に展示されているのは偽物で、自分の所有しているモナ・リザが本物だ」と主張した場合、どうなるでしょうか。
作品が本物であることを確認するためには、時間と労力をかけて専門家による検証作業を行う必要が出てきます。つまり、これまでのアート作品では、それが本物もしくは偽物であることを証明することはとても手間のかかることでした。
しかし、これをNFTに置き換えた場合、元の製作者や現在の所有者の情報がブロックチェーン上に記録されていくため、それが本物の作品であることを容易に確認できるようになりました。これにより、第三者への依存が不要となり、検証にかかるコストを削減することができます。つまりNFTはすべて「本物の証明付き」であるため、複製が不可能=非代替的であるということです。
NFTの購入方法
NFTに価値が生まれる理由を理解できたところで、次は実際にNFTを購入する方法を見ていきましょう。大まかな流れは次の通りです。
1. 暗号資産取引所で口座を開設しイーサ(ETH)を購入する
Coincheck、Coinbase、bitFlyterなどの暗号資産取引所などで、口座を開設します。これは、NFTの取引をするために使う暗号資産を準備するために必要となります。これらの暗号資産取引所で、イーサ(ETH)を購入します。
2. 自分自身のウォレットを作成する
続いて、購入した暗号資産を保管するためのウォレットを作成します。NFTを取引する上ではイーサリアム系の暗号資産ウォレットであるMetaMaskがおすすめです。MetaMaskはスマートフォン用のネイティブアプリと、ウェブブラウザの両方に対応しています。
3. 暗号資産取引所で購入したイーサリアムを自分自身のウォレットに入金する
MetaMaskでウォレットを作成したら、暗号資産取引所で購入したイーサを実際にMertaMaskに送金します。自身が使用している暗号資産取引所にログインし、宛先に自分自身のウォレットを選択し、送金するイーサの金額や手数料を確認したのち、作業を完了させます。
4. ウォレットをNFTマーケットプレイスと連携する
続いて、MetaMaskとNFTマーケットプレイスを連携します。ここでは、世界最大規模のマーケットプレイスであるOpenSeaを例に出します。ウェブ上でOpenSeaのホームページにアクセスし、「My Account Settings」を選択すると、MetaMaskとの連携画面が表示されるので「Sign In」をクリックします。自分自身のMetaMaskアカウント名を選択し、「接続」をクリックします。その後は、ユーザーネームやメールアドレスの設定を行い、登録したメールアドレス宛に認証メールが届くのでそれをクリックすれば、OpenseaとMetaMaskの連携は完了となります。
5. NFTを購入する
OpenSeaとMetaMaskの連携が完了したら、あとは自由にOpenSea内のNFTを閲覧し、気に入ったものを購入することができます。
OpenSeaでNFTを購入する
OpenSeaでは、検索機能を使って自分自身の求めているNFTを探すことが可能です。また、人気ランキング、価格、ジャンルなどを絞って、自分の興味のある作品を見つけることもできます。
自分の購入したい作品が見つかったら、その作品の詳細ページで販売価格を確認し、「Buy Now」を選択し、購入を完了させます。
ちなみにOpenSeaでは、即時購入ではなく、オークション形式での購入も可能となっています。「Buy Now」の隣にある「Make Offer」をクリックし、「Price per item」という項目に、自分が希望する購入額を入力します。さらに、オークションの終了時間なども設定し、オファーを完了させます。なお、オークション形式でNFTを購入する場合は、WETHという暗号資産が必要となります。WETHを保有していない場合は、「Convert ETH」をクリックし、ETHをWETHに変換しましょう。
NFTを購入もしくは落札した後、OpenSeaのプロフォール欄に手に入れたNFTが表示されるようになります。なお、MetaMaskのアプリからも自身の保有しているNFTを確認することが可能です。
まとめ
今回の記事では、NFTが価値を持つ理由、実際にNFTを購入する方法について解説しました。デジタル資産の希少性を生み出したNFTトレンドは、今後も続いていきそうです。
監修者: 株式会社techtec リサーチチーム
その他のNFT初心者ガイドを見る
NFTの最新情報
- 2024/12/2ガイアックスが「国内DAOカオスマップ2024」を公開!筆者が気になる地方創生に取り組むDAOを解説
- 2024/11/19PlastiksとColiba、西アフリカでプラスチックリサイクルを強化へ
- 2024/10/18SolarWise、VeChainでソーラーパネル所有権をNFT化 - 小規模投資家に新たな投資機会
- 2024/10/11地方創生とブロックチェーン・Web3.0・NFTの相性|技術のテーマから考える
- 2024/10/7そごう・西武、百貨店初のNFTマーケットプレイスを開設 - デジタルアートの新たな体験価値を提供
- 2024/9/19ANA GranWhale NFT MarketPlaceが切り拓く新しい地域創生の未来
- 2024/9/5カーボンリムーバルとNFTが融合、気候変動対策の新たな可能性を提示
HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
最新記事 by HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム (全て見る)
- カーボンクレジット取引のBitgreen、MEXCに暗号資産BBBを上場 - 2024年11月28日
- Plastiks、独サッカーのバイエル・レバークーゼンと提携し環境保護に貢献 - 2024年11月26日
- Carbify、OpenForestsのプラットフォームexplorer.landと提携 - 2024年11月26日
- Talent Protocol、Base Ecosystem Fundから戦略的投資を獲得 Web3人材エコシステムを強化へ - 2024年11月19日
- Powerledger、Solanaとの統合完了で持続可能なエネルギー取引の革新を加速 - 2024年11月19日