教育・金融分野でのブロックチェーン活用およびオンライン学習サービス「PoL(ポル)」を運営する株式会社techtecは3月31日、金融包摂最有力プロジェクトである「Celo」の開発を主導するCelo Foundationより、日本初となるグラント獲得を通した資金調達の実施を発表した。
Celo(セロ)は、「To Build a Financial System That Creates the Conditions for Prosperity—for Everyone.」をミッションに掲げ、金融包摂の実現を目指すプロジェクト。オープンソースプラットフォームであるCeloの成長と開発をリードするCelo Foundationによって立ち上げられた。現在は主にステーブルコイン「Celo Dollar」や「Celo Euro」の開発を手がけている。
Celoの特徴は、強力なサポーターとCeloアライアンスだ。a16zやPolychain Capital、Coinbase、Dragonfly Capitalといった著名ベンチャーファンドに加え、LinkedIn創業者のReid Hoffman氏やTwitter創業者のJack Dorsey氏、プロサッカー選手の本田圭佑氏などがCeloを支持している。
Celoは分散型のオープンソースプロジェクトのため、ガバナンスはCelo Allianceによって行われる。カカオトークなどを運営するKlaytnやOSSへの資金提供プラットフォームのGitcoin、先述のa16zやCoinbase、暗号資産カストディ大手のBlockchain.com、米国初の暗号資産銀行となったAnchorageなど、計100以上の企業・団体によって構成されている。
techtecが資金調達先にCeloを選んだ経緯は、同社が取り組む社会課題解決に向けた取り組みの一貫だ。Celoは、金融包摂以外にも教育機会の均等や個人の成長に着目してプロジェクトに取り組んでおり、techtecの掲げるミッションに共通するものがあると感じたと田上氏は述べている。techtecは今後、企業・プロジェクトとのパートナーシップを締結する場合や資金調達を行う場合などに、社会課題の解決に向けた取り組みの可否を重要な選定基準として考慮する「Techtec Social Action(TSA)」に取り組んでいくとしている。
株式会社techtecの代表取締役CEO田上智裕氏 は今回のグラントについて、次のように述べている。
「Celoの目指す世界は、DeFiの本質でありWeb3そのものです。今回のコラボレーションを進める中でも、Celoチームの皆さんからはDeFiおよびWeb3に対する熱意を感じました。彼ら彼女らと共に業界を盛り上げていけることを光栄に思います。Celoからの資金提供を受けてインナーサークルに入ると共に、そこで得た知見をしっかりと日本のDeFi/Web3業界に持ち帰りたいと考えています。また、Techtec Social Actionの具体的な第一歩として、日本発で金融包摂の実現に少しでも貢献できるよう頑張っていきます。」

HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

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