中国の主な国営商業銀行は、デジタル人民元の発行に向け、デジタルウォレットアプリの大規模な内部テスト段階に入ったという。8月6日、イギリスの国際ニュース通信社ロイターが報じている。
中国の情報筋によると、深セン市を含む都市国営銀行の従業員らによって、アプリでの決済と送金を実行する内部テストが行われている。中国人民銀行(PBOC)は、2014年より開発チームを立ち上げ、紙幣の流通コスト削減とマネーサプライ管理強化のため、独自のデジタル通貨であるデジタル人民元開発に着手してきた。8月3日の声明では、国はデジタル人民元の開発を積極的かつ着実に推進すべきであると強調。4月にはPBOCデジタル通貨研究所がデジタル人民元を冬季オリンピック会場で試験的に実装したい意向があると英ロイターに答えていた。
今年4月22日のプレスリリースでは、スターバックスやマクドナルド、サブウェイなど19企業がデジタル人民元のテスト参加を発表した。またデジタル人民元決済が試験的に実施される蘇州市では、地方政府職員の給与のうち交通費の50%をデジタル人民元での配布する計画を地元紙が報じていた。
デジタル人民元プロジェクトには、中国大手の事業者が参加している。日本、アジア圏などで5億人以上の会員数を有する中国版ウーバー「滴滴出行(ディディ)」をはじめ、大手食品配送企業「メイチュアン・ディアンピン(美団点評)」と中国最大手の動画配信「ビリビリ(哔哩哔哩)」も参加した。デジタル人民元の発行時期については明らかにされておらず、中国政府は「間もなく」と話すのにとどまっている。
【参照記事】China’s major state banks start internal testing of digital wallet application: media

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