埼玉県はSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みに対する理解促進や県債の投資家層の拡大を図るため、サステナビリティボンド(SB)「埼玉県ESG債」を8月29日発行する。SBは、調達資金の全額が環境問題の解決を目指すグリーンプロジェクト、社会的課題の解決を目指すソーシャルプロジェクトに充てられる債券で、同県の発行は2022年度に続き2年目。初年度は法人投資家向けだけだったが、今年度は個人投資家向けにも販売する。発行額は法人投資家向け290億円、個人投資家向け10億円。主幹事は野村證券株式会社、みずほ証券株式会社、大和証券株式会社。
募集期間は法人投資家が8月4日、個人投資家が8月7日~28日。年限はいずれも10年で満期一括償還、利率は8月4日に県ホームページで公表予定。
購入対象者は県内在住・在勤、県内に事業所のある法人・団体、さらに「県を応援する個人・法人等」も含める。購入単位と限度額は、法人投資家向けは1000万円で上限なし、個人投資家向けは1万円から、法人・団体の場合上限1千万円。
23年度の主な充当予定事業として、グリーンプロジェクト、ソーシャルプロジェクトともに「災害・危機に強い埼玉の構築」が挙げられ、グリーンプロジェクトでは「豊かな自然と共生する社会の実現」「儲かる農林業の推進」、ソーシャルプロジェクトでは「県民の暮らしの安心確保」「介護・医療体制の充実」「子育てに希望が持てる社会の実現」「未来を創る子供たちの育成」「誰もが活躍し共に生きる社会の実現」を予定する。
同県の22年度の第1回公募公債(サステナビリティボンド・10年)は、発行額150億円で9月20日発行、利率0.379%。主幹事は野村證券株式会社、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社、みずほ証券株式会社。
隣接の千葉県は今年6月、ESG債の初発行へ向けて対象事業の選定などを進めていると公表した。環境問題、社会課題の解決に向け、地方自治体がSBで独自に資金を調達するケースは今後も増えていきそうだ。
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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