コンコルディア・フィナンシャルグループの横浜銀行は4月1日から「SDGsサステナビリティ・リンク・ローン」(SLL)および「SDGsグリーンローン/ソーシャルローン」の取り扱いを開始した。環境・社会課題の分野を資金使途とする投融資「サステナブルファイナンス」を拡充し、地域企業のSDGs(持続可能な開発目標)経営の高度化を支援する。SLLはESG(環境・社会・企業統治)の目標達成度合いに応じて金利が下がり、グリーンローン/ソーシャルローンは環境改善や社会的課題解決につながる事業向けの融資商品。
投資家によるESG投資の拡大などを背景に、昨今、上場企業を中心に気候変動リスクに関する非財務情報の開示強化を進めているほか、多くの地域企業がSDGs経営に取り組んでいることを背景に、同社グループは、サステナビリティに関する長期KPI(重要業績評価指標)として、2019年度から2030年度までにサステナブルファイナンスを累計2兆円実行することを掲げている。これまでも、地域企業のSDGs経営を支援する融資商品「SDGsフレンズローン」(2019年取り扱い開始)などの商品を提供しており、今回のラインナップ拡充によって、サステナブルファイナンスへの取り組みを一層加速させていく。
SLLはESGに関する目標値「サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット)を定め、その達成度合いに応じて金利引き下げなどのインセンティブを設定する。グリーンローン/ソーシャルローンは資金使途を環境改善(グリーン)や社会的課題解決(ソーシャル)の各種原則に基づいた適格プロジェクトに限定する。資金使途 運転資金・設備資金 原則、設備資金で、運転資金も可。融資金額は1億円以上、貸出科目は証書貸付、当座貸越で、融資期間は運転資金の場合7年以内、設備資金は10 年以内、当座貸越の場合は1年以内。
両商品とも資本市場協会(ICMA)などが公表している各種基準に準拠した融資であり、外部機関の評価(第三者評価)を取得するため、企業は本商品による資金調達を通じて気候変動への対応をはじめとするSDGsへの取り組みを、投資家などにアピールできる。
同社は「今後も地域企業の多様な資金調達ニーズに応えるとともに、地域社会の持続可能な発展に貢献していく」としている。
【参照リリース】横浜銀行「サステナブルファイナンスのラインナップ拡充について~「SDGsサステナビリティ・リンク・ローン」等の取り扱いを開始します~」
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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