ウェールズ、職場での小型電子機器の分別回収を義務化へ。2026年4月から実施

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ウェールズ政府は7月31日、職場での廃棄物分別回収に関する実施規範の改定案について、パブリックコンサルテーションを開始した。改定案では、2026年4月6日から職場で小型廃電気・電子機器(sWEEE)の分別回収を義務付ける内容が盛り込まれている。この取り組みにより、10年間で約3万8,000トンの小型電子機器のリサイクルが見込まれ、二酸化炭素排出量を7400トン削減できると試算している。

今回の改定は、2024年4月に施行された職場リサイクル規制の次の段階として位置づけられている。現行規制では、職場は売れ残った小型電子機器のみを分別回収する必要があるが、改定後はすべての小型電子機器が対象となる。ウェールズ政府の気候変動・農村問題担当内閣官房長官であるヒュー・イランカ=デイビス氏は、この措置が「気候と自然の緊急事態に対するウェールズ政府の行動の重要な要素」であると述べている。

小型電子機器の分別回収義務化は、廃棄物管理部門で91人の新規雇用を創出すると予測されている。また、多くの小型電子機器に含まれるリチウムイオン電池が原因となる廃棄物火災の減少も期待される。環境面では、焼却や埋め立て処分される電子機器から貴重な資源を回収し、製造業者が新たな原材料の採掘に頼らずに済むようになることで、生物多様性危機の根本原因の一つである資源採掘の削減にも寄与する。

ウェールズ政府は段階的アプローチを採用しており、2027年4月までに繊維製品とプラスチックフィルムの分別回収も義務化する予定だ。これらの職場リサイクル改革全体で、10年間で1億9,460万ポンドの純便益がもたらされると試算されている。現在、ウェールズはリサイクル率で世界第2位の実績を持つが、今回の改革により、より多くのリサイクル可能な材料を回収し、ウェールズの製造業者が活用できる高品質なリサイクル材を確保することで、循環経済の恩恵を最大化し、ネットゼロ達成に向けた重要な一歩を踏み出すことになる。

【参照記事】Written Statement: Consultation on revisions to the Separate Collection of Waste Materials for Recycling – A Code of Practice for Wales

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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