米国内のベンチャーキャピタル(以下VC)の2018年投資についての見通しをWIREDが発表した。今年活発であったブロックチェーンやAI、ニューラルネットワーク関連事業といった投資先に加え、新しいジャンルのビジネスにも参入していくと予想されている。
米国ベンチャーキャピタル協会(NVCA)およびピッチブック(Pitchbook)によると、第3四半期現在、米国での投資総額は2016年の690億米ドルと同じか、それを上回る見通しだ。こぞって同じようなトレンドに食いつく投資家の姿は、群れをなして集団自殺するといわれるタビネズミのようだとWIREDはコメントしている。
投資家たちはブロックチェーン技術について、ビットコインなどの仮想通貨を直接買うことはないものの、安全性や透明性の面から高いポテンシャルを感じているようだ。IT系VC「venrock」の共同経営者であるDavid Pakman氏は、暗号化ネットワークで作動するスマートフォンアプリへの投資や、ブロックチェーンにもとづいたデータ保管システムへの投資を検討している。
近年、大企業からの需要が高まるAI技術についても同様の可能性がある。Packman氏は事業計画を含む会社の意思決定を助けるAI、そして「Canvas」の創設者Rebecca Lynn氏はさまざまな動画の内容を特定するAIを使ったスタートアップの支援を望んでいる。そして、Amazon EchoやGoogle Homeをはじめとする音声技術への期待も大きい。
こういったテクノロジー系のスタートアップへの期待値が高まる一方で、VCはほかにも駐車場を活用したビジネスへの投資の機会をうかがっている。これから都市部で自動車が減少することを考慮し、空いたスペースを住宅や倉庫に活用するプロジェクトは増えていくだろう。さらに、消費財メーカーや小売、薬局といった業界にたいしても積極的な投資が求められている。存在感を強めるアマゾンに対抗するためにも、投資による改革が必要だと感じている業者は多い。
2018年も人々のブロックチェーンやAIへの情熱は冷めないと予想されるが、同時に駐車場の活用や小売業など直接的にはテクノロジーに関わらないビジネスも注目されている。デジタルの波にのれない事業者には厳しい時代であることは間違いないが、今後の展開を見守りたい。
【参照サイト】WHERE VC’S WILL INVEST IN 2018: BLOCKCHAIN, AI, VOICE, PETS
HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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