世界銀行(国際復興開発銀行、IBRD)は12月2日、国内の個人投資家向けにサステナブル・ディベロップメント・ボンド(開発途上国の持続可能な発展を支える世銀債)を発行し、とちぎんTT証券株式会社が販売を行うと発表した。今回発行されるサステナブル・ディベロップメント・ボンドは期間5年のインドネシアルピア建て債券で販売額は395億ルピア。販売期間は12月19日まで。
IBRDは2030年までに「極度の貧困を撲滅」し、「繁栄の共有の促進」を持続可能な形で実現することを使命としており、この2つの目標は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」とも連携している。サステナブル・ディベロップメント・ボンドは、世界銀行が開発途上国のために取り組む農業・食料安全保障、教育、エネルギー、金融、貿易・産業、保健、行政・インフラ・ガバナンス、水・公衆衛生、環境など幅広い分野の開発プロジェクトを支えるために国際資本市場で発行される。IBRDが取り組む開発プロジェクトには、市場へのアクセスや物流、廃棄物管理等の農業インフラの整備など、開発途上国で多く発生する食料の生産から流通までの過程(サプライチェーン)での食品ロスの問題に取り組むプロジェクトも含まれる。
食品ロスと廃棄問題はIBRDでも力点を置く課題だ。「世界では8億人以上の人々が飢えに苦しんでいる一方、世界で生産されている食品の3分の1が食品ロス・廃棄によって失われており、その経済損失は年間1兆米ドル(110兆円相当額)とも言あれる。また、食品廃棄等で排出される温暖化ガスは世界総排出量の8%を占め、国別排出量で比較すると世界第3位に相当する排出量になる」と深刻さを指摘。IBRDは投資家と共に、この世界的な問題に対する人々の意識を高める取り組みも行っている。
【関連サイト】とちぎんTT証券がサステナブル・ディベロップメント・ボンドを販売 ー食品ロス問題への取り組みを支援ー

HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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