ブロックチェーン企業Chaintope、透明性と秘匿性を両立する特許を取得。導入が迫るDPPに対応へ

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パブリックブロックチェーンTapyrusの開発を行う株式会社Chaintopeは3月1日、製品のサプライチェーン情報を知的財産情報などを匿名化しながらトラッキングができるブロックチェーンソリューションの特許を取得したと発表した。

Chaintopeが特許を取得したのは、サプライチェーンのサーキュラーエコノミーに転用可能な「Tapyrus(タピルス)」ブロックチェーンソリューション。同社はこれまで、ブロックチェーン技術を応用した改ざん耐性を持つトレーサビリティ・システムの開発に取り組み、地方公共団体も参加する社会実験を通じて、食品流通のトレーサビリティ情報やCO2排出量・削減量を可視化したサステナビリティ情報を利用者に提供してきた実績がある。今後は、自社ソリューションTapyrus(タピルス)に秘匿化された原料の成分を記録する機能を追加し、DPP(デジタルプロダクトパスポート)制度に適合する次世代ソリューションへの進化を果たすとしている。

DPPはEUで推進が進む製品に関する情報を一元的に管理する制度。製品に関する情報を一元的に管理することにより、製品の品質や安全性、環境への影響を把握し、より持続可能な製品の開発や販売につなげる他、顧客に対する透明性を高めるための手段としての利用も期待されている。

EU規制によるDPPに合格するためには、製造プロセスで発生するCO2などの環境負荷測定と記録が求められる。同時に製品を構成する部材のエビデンスとして、素材の完全なトレーサビリティも証明する必要があるという。EUは、部材の選定や調達においてもサプライチェーン企業の責務としており、DPPにおいては合成金属等の精製プロセスまでも開示する義務がある。そのため車載蓄電池に使用される希少金属のコバルト・ニッケル・マンガンなどは、リサイクル率が低いためEUでは製品の流通量が大幅に制限されると予測されている。

同社は今後、複数種類の合成金属・合成繊維の成分を記録する実証実験に取り組み、DPP制度が始まる2027年までに、海外企業を含むサプライチェーン上の事業者への支援を推進したいとしている。Tapyrusは2021年1月、国内初の証明書発行実験が福岡県飯塚市で行われたほか、今年1月より九州大学との連携による地域脱炭素モデル構築のためのプロジェクト「GYMLABO節電部!」で導入されている。

【参照記事】EU規制に対応した、透明性と秘匿性を両立する秘匿化トレーサビリティを実現する特許を取得

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HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

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