米スターバックス(ティッカーシンボル:SBUX)は3月4日、シアトル本社内にあるスターバックスカフェ(SODO 8)にて、すべての飲み物を再利用可能なカップで提供するプログラムを開始すると発表した(*1)。2030年までに二酸化炭素(CO2)・水使用量・廃棄物を半減させ、地球から得た以上のものを還元する「リソースポジティブ」の実現に向けた取り組みを推進する。
再利用可能カップを提供することにより、使い捨てカップの削減を促す。顧客はカップの持ち込み、もしくは再利用可能なカップを貸し出す「Borrow-a-Cup」プログラムへの参加を選択できる。Borrow-a-Cupプログラムでは、顧客が注文した飲み物は再利用可能カップに注がれ、飲み終わったあとは店舗またはオフィス内のキオスクに返却する。専門の業者がカップを回収し、洗浄・消毒したのち再利用する。
再利用可能カップはホット・コールドともに対応しており、サイズはトール・グランデ・ベンティの3種類となる。100%再利用可能なだけでなく、革新的な素材を使用しているため、熱さ避けの段ボールの筒も必要なく、より廃棄物の削減につなげられるという。
SODO8の店舗でのBorrow-a-Cupプログラムは試験的なものとなる。同プログラムを通じて、カップの返却の早さや洗浄後に返却するかといった消費者行動、カップそのものに対する感想、外部の業者を利用したカップの消毒がオペレーションに与える影響などに関するフィードバックを得る。また、Borro-a-Cupプログラムを実施することで、つねに顧客の期待を超えるカスタマー・エクスペリエンスを提供できるという。なお、Borrow-a-Cupプログラムは世界の数店舗でしか行われていないが、カップを持ち込むことで値引きしてもらうことも可能だ。
世界中に店舗展開するスターバックスが、本拠地とするSODO 8の店舗で100%再利用可能なカップを提供するプログラムを開始することをきっかけに、世界全体でサステナブルな取り組みを推進することに期待したい。
【参照記事】*1 「Starbucks Launches Innovative 100% Reusable Cup Program Inside Seattle HQ」
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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