世界初の禁煙ソーシャルインパクトボンド、三井住友銀行・SMBC信託銀行など契約締結

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医療ベンチャーの株式会社キュア・アップ、大阪府豊中市、一般財団法人 社会的投資推進財団、株式会社三井住友銀行、株式会社SMBC信託銀行は9月9日、世界初の禁煙ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)となる「とよなか卒煙プロジェクト」を開始した。SIBは、⺠間から調達した資⾦で事業者が⾏政サービスを市⺠へ提供し、その成果に応じて⾏政が委託料を⽀払う新たな官⺠連携⼿法。同プロジェクトでは、同市が市内在住・在勤者を対象に、喫煙や受動喫煙による疾病の予防と健康寿命の延伸を目的に、禁煙への動機付けや禁煙支援を行う。

蹴役では、市から委託を受けたキュア・アップが「ascure(アスキュア)卒煙プログラム」を提供し、テクノロジーの力で卒煙に導く。三井住友銀、社会的投資推進財団が主な資金提供者となる。資金調達のために、SMBC信託銀は信託機能を提供し、キュア・アップは信託受益権の販売をプラスソーシャルインベストメント株式会社へ委託する。また、社会的投資推進財団は中間支援組織としてプロジェクトの管理運営等の支援を実施する。

アスキュア卒煙プログラムは、スマートフォン用アプリによる24間体制の支援や禁煙指導資格をもつ指導員とのオンライン面談、一般用医薬品の自宅配送により、禁煙のため6ヶ月間にわたり身体的・精神的サポートを行う。参加者は日々の状態をアプリに入力し、様々な機能を使って正しい知識や禁煙に向けた対処法を学ぶ。さらに、プログラム終了から原則6ヶ月後に、専用キットを用いて禁煙達成状況の確認を行う。今回のプロジェクトでは、12ヶ月後にも禁煙状況を確認する。実施期間は2022年3月31日まで。費用は、市在住者は無料、在勤者は3000円(クレジットカード決済のみ)。

キュア・アップによると、国内では医療費・介護費の適正化を⽬的としたヘルスケア分野のSIB が注⽬されている。ヘルスケア分野のサービスを⾃治体に提供することで、住⺠のQOL 向上、疾病の予防・早期発⾒が期待でき、これにより社会保障費、医療費・介護費の適正化を図ることができる。サービスにより期待できる介護費・医療費適正効果は、サービス提供費を⼤きく上回るといわれており、厚⽣労働省や経済産業省、内閣府などより推進されている事業のひとつ。多くの⾃治体で、地⽅創⽣推進交付⾦を活⽤したSIB 事業が実施されており、地⽅創⽣の⾯でもSIB が注⽬されている。

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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