SIIF、開示報告書と第三者機関の独立検証結果を公表。インパクト・マネジメント運用原則署名機関として

インパクト投資の推進を行っている一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)は11月28日、新生インパクト投資株式会社と運営する日本インパクト投資2号投資事業有限責任組合(「はたらくFUND」または「当FUND」)を対象資産とする開示報告書を、第三者機関による独立検証結果と併せて公表した。

SIIFはインパクト測定・マネジメント(IMM)に関する国際的な基準であるインパクト・マネジメント運用原則(Operating Principles for Impact Management(Impact Principles)に署名した。Impact Principlesの署名機関は、対象資産におけるIMMのシステム・プロセスが当原則に準拠していることを示すため、年次報告書の作成・開示義務がある。

加えて、外部評価機関よりIMMプロセス、報告書について定期的な独立検証を受け、フィードバックを活用してIMMプロセス改善に取り組むことを期待されている。

今回の独立検証では、米国を本拠とし、インパクト投資業界における独立評価機関として豊富な実績を持つBlueMark社を起用。はたらくFUNDの内部資料の定性・定量分析や、パートナーを含むメンバーへのインタビューから成る約4週間の検証を実施した。

その上で、同社が過去検証を行った国内外のインパクト投資事業者84機関やインパクトVC運用者12機関と比較し、当FUNDのIMMプロセスがどの程度当原則に準拠しているか評価を受けた。

検証結果を踏まえ、SIIFでは、はたらくFUNDの第一義を「経済的なリターンを創出し、同時に投資先企業をはじめとするステークホルダーへの付加価値を追求し、日本の社会課題解決、インパクト投資市場の成長に寄与すること」と改めて確認。「今回得た知見を活用し、当FUNDや他ファンドのIMMプロセスの継続的な改善に留まらず、インパクト投資業界におけるエコシステムビルダーとして、SIIFが関与する投資事業やアドバイザリー事業を発展させていく」としている。

Impact Principlesは、世界銀行グループの一機関として、途上国の民間セクター開発を目的に設立された国際金融公社が、投資ライフサイクルにおいて創出したインパクトを測定・管理するために2019年に設計した国際的な基準。11月28日現在、世界40ケ国、178機関が署名(対象資産額5,238億米ドル)しており、SIIFは4番目の国内署名機関。未上場企業を対象とするインパクト投資ファンドの運営者としては国内初。

【参照記事】SIIF「開示報告書(Disclosure Statement)
【参照記事】BlueMark「独立検証報告書
【参照記事】SIIF「開示報告書 参考訳

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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