一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)は3月29日、休眠預金活用事業における2020年度案件「コレクティブインパクトによる地域課題解決事業」の事後評価をまとめた「社会的インパクト評価レポート2023」を発行した。SIIFが2020年度に採択した3つの支援先団体の「コレクティブインパクトによる地域課題解決事業~重要社会機能の可視化と集合的支援のためのコンソーシアム育成」に関する3年間の成果を総括している。
休眠預金活用事業は、休眠預金等活用法に基づき、10年以上取引のない預金等(休眠預金等)を、社会課題の解決や民間公益活動の促進のために活用する制度。SIIFは2019年度から3年連続で「資金分配団体」に採択された。この間、地域の活性化を目的に、各地域で重要な社会機能を担う事業体をコレクティブアプローチ(より高い社会的インパクト創出のため、複数の組織が協同して社会課題解決に取り組むこと)により、維持・発展させていくことを目指し活動した。
実行団体は、特定非営利活動法人空家・空地活用サポートSAGA、特定非営利活動法人 但馬を結んで育つ会、一般社団法人東の食の会。レポートでは「各実行団体が取り組む社会課題を明示し、ロジックモデルを活用して、実行団体による事業がどのようにその社会課題を解決していくのか」というインパクト戦略を整理・可視化するとともに、事業の初期的な成果(アウトカム)を最終評価として掲載している。
加えて、SIIFと各実行団体の3年間の協働のプロセスを振り返り、数字で見る変化や成果を総括。「事後評価報告書としての位置付けにとどまらず、ソーシャルビジネスの実践者やインパクト評価に携わるさまざまなステークホルダーのお役に立てるよう、成果だけでなく、さまざまな教訓や学びの可視化を試みた。地域課題解決のための共鳴の輪が広がる一助となれば」としている。
【SIIF 休眠預金事業 インパクトレポート 2023】
○休眠預金事業とは
○2020年度「コレクティブインパクトによる地域課題解決事業」ハイライト
○概要と最終評価
2020年度 SIIF 休眠預金事業の概要/事業の実績/初期アウトカムの達成状況/3年間の振り返り/地域課題解決におけるコレクティブインパクトに関する調査/コレクティブインパクトを発展させるために
○2020年度実行団体の事業概要と最終評価
○休眠預金事業 実行団体集合セッションの報告
○事後評価実施概要について
【関連サイト】インパクトレポート 2023「2020年度 コレクティブインパクトによる地域課題解決事業最終評価」

HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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