一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)は3月22日、休眠預金活用事業における2019年度案件「地域活性化ソーシャルビジネス成長支援事業」の事後評価をまとめた「SIIF 休眠預金事業インパクトレポート2022」を発刊した。休眠預金活用事業は、10年以上取引のない預金などを社会課題の解決や民間公益活動の促進のために活用する制度。休眠預金事業は内閣府の監督の下、「指定活用団体」である一般財団法人日本民間公益活動連携機構(JANPIA)が統括しており、JANPIAは「資金分配団体」を公募から選出。資金分配団体は現場で民間公益活動を行う「実行団体」に資金を提供するとともに伴走支援を行い、同時に監督の役割も担う。
SIIFは19年度~21年度の資金分配団体に採択され、人口減少や少子高齢化の進展による地域社会の活力低下を解決するために、地域で活用されていないさまざまな資源を再活性化させることで地域社会の核となるソーシャルビジネスを支援してきた。
19年度は「地域活性化ソーシャルビジネス成長支援事業〜インパクトが持続的に創出されるエコシステム形成」、20年度は「コレクティブインパクトによる地域課題解決」、21年度は「地域インパクトファンド設立・運営支援事業」をテーマに活動。ソーシャルビジネスを展開する6団体を支援した。
同インパクトレポートでは、6団体の「地域活性化ソーシャルビジネス成長支援事業~インパクトが持続的に創出されるエコシステム形成」に関する3年間の成果をまとめている。実行団体はシェアビレッジ株式会社、株式会社sonraku、株式会社雨風太陽(旧社名:株式会社ポケットマルシェ)、株式会社御祓川(みそぎがわ)、株式会社Ridilover、Rennovater株式会社。助成事業期間は20年11月から今年3月まで、助成総額は2億779万円。
SIIFは各実行団体が取り組む社会課題や社会的背景を明示し、ロジックモデルを活用して、環境・社会を含む事業の提供価値を整理・分析するとともに、本事業を通じた社会課題解決の戦略における初期的な成果(アウトカム)を最終評価として掲載している。
加えて、SIIFと各実行団体の3年間の協働のプロセスを振り返り、数字で見る変化や成果に関する総括を行った。事後評価報告書としての位置付けにとどまらず、ソーシャルビジネスの実践者やインパクト評価に携わるステークホルダーの役に立てるよう、教訓や学びの可視化も試みている。
コンテンツは「休眠預金事業とは」「2019年度『ソーシャルビジネス成長支援事業』概要と最終評価」「19年度実行団体の事業概要と最終評価」「休眠預金事業支援先合同セッションの報告」など。
【レポート】SIIF 休眠預金事業 インパクトレポート 2022(PDF)
【関連サイト】一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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