SIIF 、2020年度休眠預金等活用制度で「コレクティブインパクトによる地域課題解決事業」に4団体を採択。助成総額1.7億円

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一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)は5月27日、休眠預金等活用法に基づく2020年度の「コレクティブインパクトによる地域課題解決」の実行団体として4団体を採択したと発表した。採択された団体が各地域において重要な社会的役割を担う事業を複数の企業・団体が協力して集合的に地域課題に持続可能な形で維持させることにより、地域社会における活力低下に歯止めをかけることを目指す。4団体に対し助成金総額1億7850万円の資金提供をはじめ、事業や活動の結果として生じた社会的・環境的な変化や効果(アウトカム)を定量的・定性的に把握し、事業や活動について価値判断を加える「社会的インパクト評価」など、事業の成功に必要な経営支援を伴走しながら提供していく。助成期間は資金提供契約締結後から24年3月31日まで。

20年度の同事業への申請団体数は24。採択されたのは特定非営利活動法人Local Life Design(宮城県、助成金額3150万円)、一般社団法人東の食の会(福島県、同4987.5万 円)、特定非営利活動法人但馬を結んで育つ会(兵庫県、同4987.5 万円)、特定非営利活動法人空き家・空地活用サポートSAGA(佐賀県、同4725万円)。

Local Life Designは東日本大震災後、人口減少、商工事業者の減少が進む女川地域で創業コンソーシアムを立ち上げ、新たな事業への投資・融資などを含めた包括的な創業支援体制を構築することで、地域内での雇用を増やし、住み続けられる地域づくりを目指している。東の食の会は、福島県浜通り地域の農林水産業・食産業、なかでも風評被害が懸念される漁業について、ネガティブな影響を上回るポジティブなブランディング、ストーリーの発信などのノウハウを活用して「ヒーロー生産者」やヒット商品を生み出し、域外の販路を拡大、ファンのコミュニティを創出していくことで復興を進めている。

但馬を結んで育つ会は、後期高齢者の急増で医療介護の持続性が懸念される「2025年問題」を目前に、医療・介護・福祉・行政などの連携を進め、診療機能の調整、人的資源の共有、経営の共同効率化を通じ、安心して最期まで暮らせる医療・福祉の包括的かつ継続的な提供体制の構築のため活動するNPOだ。

空き家・空地活用サポートSAGAは、防犯、防災、景観、衛生など様々な観点から社会問題化する空き家を利活用し、単なる低所得者用のシェアハウスとしてではなく、フードバンクの物流拠点としての機能を兼備した建物として整備。他の団体とも協業しながら、子どもがいる貧困家庭への食事支援の強化も図る。さらに、この拠点で創出された仕事を、入居者など低所得世帯の雇用に繋げることで、食事支援・居住支援・就労支援の三つの社会課題を同時に解決できるエコシステムの構築を目指す。

SIIFは2014年から、社会や環境に与えた変化や効果を可視化する「社会的インパクト評価」を実践してきた。目標は「社会的・経済的資源循環のエコシステムビルダーとして、社会課題解決と多様な価値創造が自律的・持続的に起こる社会」。19年度から連続して休眠預金等活用制度における資金分配団体に採択されている。

【関連サイト】一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)

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