一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)は5月13日、システムチェンジ投資のデータベース「システムチェンジ・ライブラリ」を公開した。
システムチェンジ投資は「社会課題の構造的・根本的な解決」を目指す投資方法で、インパクト投資の発展版として、欧米諸国で注目され始めている。同ライブラリは、システムチェンジやシステムチェンジ投資の概念を、欧米諸国の投資家の発信内容の調査や、個別のヒアリングから整理。欧米諸国でシステムチェンジ投資の取り組みが着目され始めている社会的背景なども掲載している。
また、海外先行事例として、オランダのTriodos銀行や、イギリス・ブリストル市の事例などを紹介しているほか、課題が生じる構造の分析を捉えるための課題構造分析などの研究結果を計6本を公開した。
SIIFでは、システムチェンジを誘発する取り組みのひとつとして、2022年にSIIFインパクトキャピタル株式会社(SIIFIC)を設立、ウェルネス領域におけるシステムチェンジを目指すほか、2023年にシステムチェンジコレクティブ事業を開始し、機会格差、地域活性化の分野で課題解決を目指す事業者の公募を行った。
今後は、システムチェンジ投資における活動から得られた知見を構造的・体系的に捉え、発信していくため、同ライブラリを拡充していく予定。「システムチェンジを用いた活動が投資家や事業者に取り入れられていくことを目指したい」としている。
SIIFは一般財団法人 社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ(SIMI)と社会的インパクトを主要なテーマにしたカンファレンス「Social Impact Day 2024 ~インパクト・エコノミーが実現する”システム・チェンジ”(SID2024)」を、5月15日から17日まで3日間にわたり開催。社会的インパクト領域における最新のテーマとゲストスピーカーの講演を中心に、「未来の社会実装につなげるための議論」が展開される予定。システムチェンジの最新事例に触れられる機会になりそうだ。
【関連サイト】SIIF システムチェンジ・ライブラリ
【関連サイト】「Social Impact Day 2024」公式サイト
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