プラスチック資源の国内循環を実現する再生材ごみ袋「FUROSHIKI(フロシキ)」プロジェクトが好調な立ち上がりを見せている。フロシキを企画した株式会社サティスファクトリーは8月3日、7月の一カ月で国内大手企業40社から廃プラスチック70tを回収したと発表した。同社によると、この量は45リットルごみ袋411万枚に相当し、同規模の生産にワンウェイプラスチックを使用した場合と比較してCO2排出量を約205t削減するという。
回収された廃プラは、純国産リサイクルスキームによってフロシキに生まれ変わり、全国の事業者に提供される。当初目標は9月までに60社100tの回収だったが、大幅に前倒しで達成が見込まれる。
2020年7月1日にレジ袋(プラスチック製買物袋)の有料化が開始され、同月21日には家庭から出るプラスチックごみ全般をプラスチック資源として一括回収する政府方針が明らかになった。「環境問題への対策が暮らしに密接していくことで、消費者が商品・サービスを選択する基準も変わりはじめている。いま企業に求められていることは、バージンプラスチック原料の使用量削減、リサイクル率や再生原料の使用率向上といった具体的な対策であり、それらを実現するためにプラスチック利用状況の情報開示に向けて試行錯誤が続いている。資源循環を拡大する技術や物流を求めて、また、企業価値の向上を求めて、事業系廃棄物の取組について足元から見直す必要がある」と同社は訴える。
サティスファクトリーは企業向け廃棄物管理サービスや環境コンサルティングサービスなどを手掛け、グループ会社とともに廃棄物マネジメント事業の一環として廃棄物の削減及び適正処理をすべく、事業活動から発生する不要物のリサイクルを支援している。レジ袋有料化を目前に控えた6月、グループ会社とともに資源循環プロジェクトを始動した。
フロシキは99%再生材使用のポリエチレン製。輸出できなくなった廃プラスチックを排出者である企業に新たな製品として還元する。廃棄物を国内で集め、再生原料を国内で生産し、再度国内で使用。「捨てる事を当たり前にしない新しい日常」で、ごみ袋を使うという自然な行為を、新しい企業価値を生む環境貢献活動、サーキュラーエコノミーへ転換していく。
6月は20社から廃プラスチック34tを回収、7月に40社から70tを回収しており、提供企業、回収量とも1カ月で倍増した。提供会社は大手の物流会社、運送会社、食品メーカー、通販会社、卸売市場など。9月に60社100tを目標とする。
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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