オープンソースのブロックチェーンプラットフォームCordaを提供するR3は1月22日、オランダの大手金融機関INGとCorda商用版であるCorda Enterpriseのライセンス契約を締結した。INGは2018年3月、Cordaを利用した有価証券の取引を完了した実績をもっていた。
R3は、オープンソースのプラットフォームであるCordaとその商用版であるCorda Enterpriseを開発するブロックチェーンソフトウェア企業だ。同社は官民の両セクターから集まる300以上のメンバーで構成されている。
Corda Enterpriseはブロックチェーンの中でも金融取引に特化し、商用利用可能なプラットフォーム構築を目指すプライベートチェーンだ。Corda Enterpriseでは、分散型アプリCorDappsによって、貿易金融、保険などのさまざまな金融サービスが網羅される。知る必要のある当事者間のみでデータが共有され、PoW(Proof of Work:プルーフ・オブ・ワーク)のようなコンセンサスアルゴリズムを必要とせず、二重支払いなどの不正を防止する仕組みが構築されている。また、大規模で複雑な組織のニーズに合わせた24時間365日のサポートなど、エンタープライズ向けのサポートが提供されることも特徴だ。
R3のCEOであるDavid E. Rutter氏は、「INGはブロックチェーンを積極的に採用しており、R3の長期にわたる重要なパートナーだ。(中略)CorDappの活用によって、INGが銀行の多様なビジネス領域における生産性、効率性、収益性がどれだけ向上できるか期待している」と語った。
R3は先週、コルダ・ネットワークをローンチしている。これにより、すべての参加者はデジタル資産とデータをノードのコミュニティ間で転送することが可能となる。また、コルダのプラットフォーム上で実行されるCorDapps間でもデータの共有が可能だ。R3の取り組みは金融業界の革新的な未来を予感させるものだ。今回の事例を皮切りに、ブロックチェーンのユースケースが増えていくことが期待される。
【参照記事】Corda Enterprise
【参照記事】ING signs deal for large-scale Corda Enterprise adoption
【参照記事】Corda Network launches with new governing foundation
【参照記事】欧州 R3のブロックチェーン上で初めて証券取引を完了
HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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