イーサリアム互換スケーリングソリューションとして発足したPolygonが、ゼロ知識証明技術を搭載する新しいレイヤー2スケーリングソリューション「Polygon zkEVM(zero-knowledge Ethereum Virtual Machine)」を発表した。
Polygon zkEVMでは、イーサリアムのスマートコントラクトを導入することができ、イーサリアム上のあらゆるツールがPolygon zkEVM上で動作することが可能だという。イーサリアムよりも低コストで、高速に処理を行い、ゼロ知識証明によって検証も可能な技術が特徴となっている。Polygonの共同創設者であるMihailo Bjelic氏がDecryptに伝えた声明によるとPolygon zkEVMは、カード決済Visaを超える毎秒2,000件のパフォーマンスを目指しているという。
ゼロ知識証明とは、「ある主張を、追加の情報を伝えることなく、正しいことを証明することができる暗号方式」。イーサリアムの主要なレイヤー2スケーリング技術である「Optimistic Rollup」と「Zero-Knowledge Rollup(zk Rollup)」のうち、後者に用いられる技術としても知られている。zk Rollupはこれまで、EVM互換でないことからイーサリアム上にデプロイされたこれまでのコードの恩恵を得られないという課題があり、Matter Labsが開発を進める「zkSync」ではEVMを互換を目指して開発が進んでいる。
zk EVMは、今後ドキュメントやテストネットの公開も計画しており、オープンソースとしてのコミュニティ拡大も目指している。開発チームは、イーサリアムがPoSに移行している間の一時的なソリューションとして有効であり、2023年にメインネットになれば、イーサリアムのセキュリティを継承しながら、安価で高速のスケーラビリティに優れたトランザクションが可能になると説明している。
【参照記事】Polygon Launches New Scaling Solution to Further Cut Costs on Ethereum – Decrypt
【参照記事】The Future is Now for Ethereum Scaling: Introducing Polygon zkEVM
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