株式会社三菱UFJ銀行は11月19日付で赤道原則協会より公表された「赤道原則(エクエーター原則:The Equator Principles)第4版」への賛同を表明した。赤道原則とは、大規模なインフラ整備や資源開発などのプロジェクトが環境・社会に与え得る潜在的なリスクや影響を特定、評価、管理するため、欧米の民間金融機関が中心となって2003年6月に策定された枠組み。金融機関は資金の貸し手として、または資金調達に関するアドバイザーとして、顧客と協力しながら体系的に取り組みを進める役割を担う。
同行の親会社である株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は「金融機関の使命として、長期的な視点でお客さまや社会と末永い関係を築き、共に持続的な成長を実現する」と経営ビジョンに掲げる。同行は2005年12月に赤道原則を採択。以降は大規模プロジェクトへの融資決定に先立ち、顧客とともに同原則に基づいたデューデリジェンス(投資対象となる企業や投資先の価値やリスクなどの調査)を実施、金融機関として「持続可能な環境・社会の実現に貢献」を志向してきた。
また、同原則を採択した世界37カ国の100を超える金融機関で構成される赤道原則協会の運営委員会のメンバーとして、赤道原則の遵守や普及に向けた活動も積極的に展開。第4版は、赤道原則協会の主導の下、第3版策定(2013年6月)以降の人権・気候変動など国際的な流れに関して、世界各国の様々なステークホルダーや金融機関の意見を踏まえながら改定されている。特に、気候変動によってもたらされる災害などがプロジェクトに与えるリスクに係るデューデリジェンスや、先住民族に対するエンゲージメントを強化。さらに、重大な環境・社会リスクまたは影響が想定される政府省庁向けのプロジェクトへの適用範囲の拡大などが盛り込まれている。
「第4版への賛同に基づき、赤道原則をはじめとした環境・社会リスク管理の高度化を進めることで、持続可能な環境および社会の実現に向けた取り組みを加速していく」と引き続き積極的な姿勢を打ち出している。
【参照記事】「赤道原則第4版」への賛同について
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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