日本マクドナルド株式会社は2月10日、農林水産省と「建築物木材利用促進協定」を締結した。同社は、これまでも林野庁が推進する国産木材の積極的活用に向けたネットワーク「ウッド・チェンジ・ネットワーク」に賛同しており、ハンバーガーショップチェーン「マクドナルド」の新規出店、改装、建て替える店舗において、国産木材を外装および構造材で積極的に活用してきた。同協定の締結により、農林水産省・林野庁とより一層連携・協力し、国産木材の活用を推進していく。
同協定は、木材利用を拡大することで、カーボンニュートラル(目標年:2050年)の実現に貢献することを主な目的とした「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」に基づいている。同法は21年6月に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が改正、名称が変更された。改正に伴い、建築物における木材利用の促進に関する構想を実現するため、建築主や建築物に関係する事業者・団体が、国や地方公共団体と協定を締結できる「建築物木材利用促進協定」制度が創設され、今回の日本マクドナルド社と農水省との締結に至った。
今後は、建設予定の店舗で一店舗当たり一定量以上の地域材を利用する設計を基本とする構想。構想の達成に向け①マクドナルドは、今後建設予定の店舗で、一店舗当たり一定量以上の地域材を利用する設計を基本とし、3年間で計5550㎥の地域材を利用することを目指す②店舗建設の際、クリーンウッド法に基づく登録木材関連事業者により合法性が確認された木材を利用する③木材利用の意義やメリットについて、積極的に情報発信する――の3点を決定した。
農水省などによると、日本では、戦後造成した人工林資源が充実して利用期を迎え、国産材の需要拡大が急務となっており、現状で木材があまり使われていない民間建築物などの木造化、木質化を進めることが喫緊の課題とされる。中央官庁は民間建築物などにおける木材利用の促進に向け、木材の需要者である建設事業者、設計事業者や、実際にこれらの建築物の施主となる企業によるネットワークづくりを進めようとしている。このネットワークでは、木材利用に関する課題の特定や解決方策、木材利用に向けた普及のあり方などについて協議、検討し、木材を利用しやすい環境づくり、日本全国に木材利用を広げていくプラットフォームづくりに取り組んでいくとしている。
日本マクドナルドの店舗数は今年1月で2965軒、ハンバーガーショップチェーンでは国内最大規模を維持している。
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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