株式会社Zebras and Company(ヨミ:ゼブラ アンド カンパニー、以下Z&C)は、2024年3月6日、中小企業庁の「地域の社会課題解決促進に向けたエコシステム研究会」の委員として携わり、共に協議・検討した「ローカル・ゼブラ推進政策」の発表会を開催した。発表会では、Z&Cの共同創業・代表取締役社長の田淵 良敬氏がゼブラ企業についての説明とエコシステム構築に向けた実際の取り組み事例を紹介、経済産業省 中小企業庁でゼブラ企業支援なども進める創業・新事業促進課長の伊奈 友子氏が基本指針及び実証事業について説明した。
発表のなかで田淵氏は、ゼブラ企業の特徴として、「①事業成長を通じて、より良い社会をつくることを目的としている、②時間、クリエイティブ、コミュニティなど、多様な力を組み合わせる必要がある、③長期的でインクルーシブな経営姿勢である、④ビジョンが共有され、行動と一貫している」の4つを挙げた。そして、「日本の多くの地域企業がゼブラ企業の4つの特徴を持っており、地域づくりをしていく上で潜在的な可能性を感じている」と語った。
伊奈氏は、「ゼブラ企業を創出して育成していくという取り組みは、地域で息長く経済を支える存在となるような中小企業に育てていくというような政策だと考えて取り組んできている」と語った。
また、「中小企業庁では、地域の経営課題の解決と経済性の両立を目指す『ローカル・ゼブラ企業』を創出するエコシステムを多くの地域に構築していき、ゼブラ企業が創出する社会的インパクトを起点として、多様な関係者が連携して課題の解決に取り組み、地域経済が循環・成長していくことを目指している。」
「ゼブラアンドカンパニーとは、ゼブラ企業の概念の浸透と具体的な事例を見える化することの重要性について議論してきた。今後の実証事業では、基本方針を参考にしながら、各地のゼブラ企業の取り組みが広がっていくことを期待している」と言葉に力を込めた。
続くトークセッションでは、ゼブラ企業の1社で株式会社陽と人の代表取締役の小林 味愛氏と、同じくゼブラ企業である株式会社ローカルフラッグの代表取締役の濱田 祐太氏から取り組みの紹介や事業を通じて解決しようとしている地域課題などが紹介された。
ゼブラ企業2社からの発表を受け、伊奈氏は「一社だけで地域課題を解決することは難しい。地域のみなさんが連携することによって解決できる課題がたくさんある。まだまだ活かされていない地域資源もたくさんあるので、先輩のゼブラ企業の事例を真似しながら、楽しくポジティブに取り組んでいただければ」と呼びかけた。
田淵氏は、「地域づくりというのはすごく難しい。まずは誰かがその地域のビジョンみたいなものを考えて、旗を振っていくことがすごく重要。そこに、事業をつくる人や事業を回す人、事業を育てる金融機関やコンサルタントやアドバイザー、自治体の方などが集まってくることによって総合的なエコシステムができるのでは」と考えを表した。
また、実証事業の募集に関して、伊奈 友子氏は「複数の企業などで連携して応募してもらうことを想定している。解決する課題は一つだけに絞らず、ぜひみんなで知恵を絞り複数の課題を連携して解決してもらいたい」「創業している事業だけではなく、第二創業のパターンでもぜひ応募してもらえたらと思っている」「応募の際には、何の課題を解決していくのか、それをどう解決していくのかをしっかり示してほしい」と応募のポイントを示した。
田淵氏は「地域のビジョンをしっかり作れる人、考えようとしている人に、ぜひ応募してもらいたい。地域課題の解決は、型にはまったやり方だけで考えると難しいので、既存の型にはめすぎずに自由な発想で応募してもらえたらと思う」「どういうやり方が本当に合うのか、ぜひ柔軟に考えてほしい。そのためにも実証事業がある」と広く参加を呼びかけた。
実証事業に関する詳細は「令和6年度 実証事業(モデル事業)の概要・募集要項」として、2024年3月末に経済産業省 中小企業庁から公表される予定。
地域経済と地域課題解決の担い手として期待されるローカル・ゼブラ。そのローカル・ゼブラが創出されるエコシステムを地域に構築していくというプロセスそのものが、地域に活力を与え、地域を「楽しいことが起こりそうな場所」へと生まれ変わらせていくのかもしれない。
【関連リリース】経済産業省「『地域課題解決事業推進に向けた基本指針』の概要 地域の社会課題を成長のエンジンに転換していくローカル・ゼブラ企業の創出へ」
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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