米ジーンズ大手のリーバイ・ストラウス(LS&Co.)は9月23日、エネルギー管理のデジタル変革を手掛けるシュナイダーエレクトリックと共同で、サプライチェーンにおける再生可能エネルギーへの移行を支援する「エネルギー・アクセラレーター・プログラム(LEAP)」をインドで開始すると発表した。同プログラムは、2030年までにサプライチェーンの温室効果ガス排出量を42%削減(2022年比)し、2050年までにネットゼロを達成するという同社の目標達成に向けた取り組みの一環となる。
LEAPは、インドの繊維・アパレル製造サプライヤーを対象に、最適な価格設定や投資収益率の条件で再生可能エネルギー調達を可能にする包括的な支援を提供する。具体的には、詳細なトレーニングモジュール、財務分析、シュナイダーエレクトリックのアドバイザリーサービスへのアクセスなどが含まれる。参加サプライヤーは、オンサイト太陽光発電や証書購入などの個別調達機会を検討できるほか、電力購入契約(PPA)のための複数企業による共同購入グループへの参加も可能となる。
インドは再生可能エネルギー市場が急速に拡大している一方で、サプライヤーが多様で変化の激しいエネルギー市場を理解し、適切な選択を行うための技術的知識や認識が不足している現状がある。インド新エネルギー・再生可能エネルギー省のサントシュ・クマール・サランギ次官は「企業がより明確でアクセスしやすい再生可能エネルギーの機会から恩恵を受けられることを示している」とこの取り組みを歓迎した。
シュナイダーエレクトリックはこれまでに、複数市場のクライアント向けサプライチェーンプログラムで1.3TWh以上の再生可能電力調達を支援してきた実績を持つ。同社はウォルマートの「ギガトンPPAプログラム」において、リーバイスを含む5社による米国初の複数企業共同PPAを管理した経験があり、この成功モデルがLEAPでのグループPPA開発の基盤となる。同社のスティーブ・ウィルハイト持続可能性事業部門社長は「実証済みのソリューションを拡大してサプライヤーに力を与える方法を示している」と述べ、両社の協業の意義を強調した。
【参照記事】LS&Co. Announces LEAP to Accelerate Renewables in India

HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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