EU理事会、プラスチックペレット流出防止規則を採択。マイクロプラスチック汚染を削減へ

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EU理事会は9月22日、マイクロプラスチック汚染を削減するため、プラスチックペレットの環境への流出を防止する新規則を採択した。この規則は、プラスチック製品の主要な工業原料であるペレットの管理をサプライチェーン全体で強化することを目的としている。

新規則の中心は、ペレット流出の予防措置だ。事業者は、包装、取り扱い、スタッフの訓練、設備に関する対策を盛り込んだリスク管理計画の実施を義務付けられる。また、万が一ペレットが流出してしまった場合の清掃作業に関する明確な義務も定められた。公平性と説明責任を確保するため、EU域外の輸送業者にはEU域内に認定代理人を指定することが求められる。年間1,500トン以上のプラスチックペレットを取り扱う事業者は、独立した第三者機関による認証を取得する必要がある。一方で、小規模事業者には負担を軽減する措置が講じられ、零細企業は自己適合宣言による簡易的な手続きが認められる。

さらに、この規則ではプラスチックペレットの海上輸送に関しても、包装、輸送、貨物情報に関する特定の要件を導入し、海上でのペレット流出を防止するための対策を講じている。

プラスチックペレットは、製造や輸送の過程で環境中に流出すると、自然分解されずに環境や生物に蓄積する。現在、サプライチェーン全体での不適切な取り扱いにより、年間推定5万2,000トンから18万4,000トンのペレットが環境中に放出されている。これは、塗料やタイヤに次いで3番目に大きな意図しないマイクロプラスチックの発生源となっており、今回の新規則はEUのゼロ汚染行動計画における重要な一歩となる。この規則は、欧州議会での最終投票を経て、EU官報への掲載から20日後に発効し、主要な規定はその2年後から適用が開始される予定だ。

【参照記事】Plastic pellets: Council signs off regulation to reduce pollution from microplastics

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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