経済産業大臣は9月17日、二酸化炭素の貯留事業に関する法律(CCS事業法)に基づき、北海道苫小牧市沖の特定区域における試掘を石油資源開発株式会社に許可した。これは、同法に基づく初めての試掘許可となる。
今回の許可は、2025年2月21日に指定された北海道苫小牧市沖の特定区域について、石油資源開発株式会社からの申請を受けて行われた。経済産業省は審査の結果、同社が特定区域において試掘を最も適切に行うことができる者と認め、関係都道府県知事である北海道知事への協議および利害関係者からの意見募集を実施した。これらの手続きを経て、試掘について公共上の支障がないと判断され、正式に許可が下りた。
今後、石油資源開発株式会社は必要な法令手続きを経た上で試掘を開始する。この試掘の目的は、二酸化炭素(CO2)の貯留に適した貯留層や、貯留したCO2を閉じ込める遮蔽層が広範囲に存在することを確認することだ。
CCS(二酸化炭素回収・貯留)は、発電所や工場などから排出されるCO2を分離・回収し、地中深くに安定的に貯留する技術であり、脱炭素社会の実現に向けた重要な選択肢の一つとされている。今回のCCS事業法に基づく初の試掘許可は、日本国内におけるCCS事業の本格的な社会実装に向けた大きな一歩となる。試掘によって貯留に適した地層の存在が確認されれば、日本のCO2排出削減目標達成に貢献することが期待される。
【参照記事】CCS事業法に基づき、北海道苫小牧市沖の特定区域における試掘の許可をしました
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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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