金融庁は12月8日、「サステナビリティ投資商品の充実に向けたダイアログ」を設置したと発表した。温室効果ガスを発生させる化石燃料から太陽光発電などのクリーンエネルギー中心へと転換し、経済社会システム全体を変革しようとする取り組みGX(グリーン・トランスフォーメーション)の実現に向け、関係者が対話(ダイアログ)を通じて基本的な認識共有を図る。
経済・社会の成長と持続可能性の確保につながる投資を推進していくには、幅広い投資家に魅力的な投資商品を開発し、多様な投資家の市場参加を促していくことが必要と考えられている。特に、投資信託などの投資商品の拡充・提供には、商品組成を担う資産運用会社、投資を受ける企業、個人投資家・機関投資家など、幅広い関係者の戦略・選好が相互に調和していくことが重要とされる。
こうした観点から、岸田文雄首相は今年10月、都内で開催された責任投資に関する国際カンファレンス「PRI in Person」での講演で金融庁にダイアログを設置する考えを明らかにしていた。
ダイアログは、日本市場でのGX・サステナビリティ投資商品のあり方について、関係者が対話を通じて基本的な認識共有を図る意見交換の場としての役割を担う。意見交換は資産運用会社、販売会社、投資先企業、個人投資家、業界団体など、サステナビリティ投資商品に関わる各業態の実務家及び有識者などから幅広い参加を得て開催。金融庁総合政策局総合政策課が事務局を務める。会議は商品組成等を含む様々な論点について率直かつ自由な意見交換を確保するため、非公開とする。
テーマは「個人投資家のサステナビリティ投資への関心・投資商品の販売状況」「個人投資家に伝わり易い投資戦略や商品特性、説明のあり方」「個人投資家の投資判断に結び付きやすい企業戦略、運用機関と企業の対話のあり方」「海外における上記の状況とそれを踏まえた示唆」などが挙げられている。
12月から来年6月までに計4回程度開催し、4回目の開催後、投資商品の充実に向けた「メッセージ」を取りまとめ、発信する。
7月以降は、それまでの議論の状況などを踏まえながら、例えば、機関投資家によるサステナビリティ投資・投資商品に焦点を当てたダイアログの開催や、新NISA導入後の商品提供の状況等を踏まえた議論等を、検討していく予定。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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