電通PRの研究機関である企業広報戦略研究所は10月24日、全国の生活者1万500人を対象とした「2019年度ESG/SDGsに関する意識調査」の結果を発表した。ESGの認知率は昨年比3.3ポイント増の18.3%、SDGsの認知率は昨年比8.5ポイント増の24.2%と、ともに上昇。また、「投資を考える際、企業のESGに対する取り組みを考慮するか」という質問に「考慮する」という回答は6割に上り、一般生活者の関心の高さがうかがえる結果となった。
今年は経済産業省が「SDGs経営ガイド」を取りまとめ、企業間のESGやSDGsに対する取り組みに一層注目が高まる。調査は、生活者の意識がどのように変わっているのか、ESG/SDGsの認知、生活者の関心が高い取り組み、企業に期待する取り組みなどを調査した。生活者が考えるESG/SDGsとは具体的にはどんなことだろうか。「関心のある社会課題に対する取り組みと企業に期待する取り組み」という質問は、1位が「食品ロス削減」(関心のある34.9%、期待する30.4%)、2位が「再生可能エネルギー技術の開発、利用」(同33.0%、30.1%)3位が「海洋プラスチックごみ対策」(同31.4%、29.8%)となった。
さらに、「SDGsに関わる企業の取り組みを想起できた」人のうち「その企業の商品・サービスのウェブサイトを閲覧するようになった」「その企業の商品やサービスを購入または利用した」のは67.9%に上った。SDGsがプロモーションや消費活動に影響していることを示す数字といえるだろう。
投資家間ではESGやSDGsは投資を考える際の指標の一つとなりつつあるが、一般生活者にも同様の動きがある。「企業のESGに対する取り組みをどの程度考慮するか」という質問には「とても考慮する」(17.8%)、「少し考慮する」(44.3%)が62.1%となり、一般生活者の間にもESG/SDGsを投資の判断材料としてとらえる意識が広がっている。
SDGs企業の取り組みをどのように知ったかという認知経路では、最も多いのは「番組や記事(新聞やテレビ、ウェブニュース、雑誌など)」(30.1%)、次いで「商品・サービスを直接体験して」(23.0%)、「企業が直接発信する情報」(20.4%)となった。性別・年代別では「番組や記事(新聞やテレビ、ウェブニュース、雑誌など)」は60代男性と50~60代女性で高く、20代女性(20.5%)で最低、20代男性(22.3% )と30代男性(24.8%)でも低い傾向にある。一方、「商品・サービスを直接体験して」は30代男性(31.6%)で最も高く、次いで20代男性(28.1%)だった。同研究所は「ミレニアル世代の男性はリアルな場やコンテンツから情報を得ている」と見る。
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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