英スコットランドで開催されている第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)で11月3日、石炭を使用するポーランドやチリを含む190の国と組織が、2040年を目途とする脱炭素に署名したと英国政府が伝えた。米国や中国は、署名に参加しなかった。
COP(Conference of the Parties)は、国連気候変動枠組条約に加盟している国が参加して毎年開催する会議で、今年で26回目となる。世界各国のリーダーらが集結し、地球温暖化の課題への取り組みを協議する目的で開催されている。岸田総理大臣は、壇上にて2030年を目途にした温室効果ガスの46%減の実現と2050年「カーボンニュートラル」の実現に向け、アジア地域の再生可能エネルギーへの転換を推進するとともに、今後5年で最大100億円の支援を行う意向を表明している。
COP26で協議される環境課題には、炭素だけでなく、2050年までにはガスや石油関連事業からの撤退も段階的に実施される予定となっている。ブロックチェーン業界においても、ブロックチェーンが消費するエネルギーを懸念する声がある一方、ブロックチェーンが産業や企業に活用されることによる環境面へのメリットも十分考えられる。
COP26では森林破壊の抑制が目標のひとつとして掲げられているが、現在ブロックチェーンなど分散型台帳技術は木材や農業といった環境に影響を与えるサプライチェーンに今まで以上のトレーサビリティと透明性を与えることが可能だ。農業に関連するブロックチェーンイノベーションに対する世界価値は2023年までに4億2,000万ポンドに成長すると見られている。
Ledger Insightsによれば、サプライチェーンの効率性・透明性・セキュリティを強化するTimber Chainを活用することによって、人間のプロセスをデジタル化し環境負荷を低減することも可能だという。ブロックチェーンが普及することにより、このような取り組みが世界的に進み、二酸化炭素排出量削減に向けたエコシステム構築することができる。
【参照記事】Blockchain for climate action must be on the COP26 Agenda – Ledger Insights – enterprise blockchain

HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

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