ブロックチェーンデータ分析Chainalysisは9月8日、同社が発表した「the Chainalysis 2020 Geography of Cryptocurrency Report」の一部を公表し、世界で暗号資産の採用が進んでいる現状を報告している。報告によると、暗号資産を採用する国の上位にはウクライナ、ロシア、ベネズエラや中国がランク入りしているという。
暗号資産の取引は機関投資家の参加により、より多くの金額が動くようになっている。ただ、本質的に考えれば、「暗号資産の採用」が指すものは投資や投機ではなく、価値の移転や支払い方法として選ばれることにあると同社は述べている。そのため、レポートの作成にあたっては、各国の人工や経済規模を考慮し、暗号資産の活動を測定する公式に傾斜がつけられている。
こうした調査を154か国に実施したところ、暗号資産の採用が進んでいないのは12か国にすぎず、グローバルに普及を始めていることがわかった。暗号資産は各国で、投資として、また価値の保存や交換の手段として、求められていることも調査により判明した。
採用が最も進む国のうち、暗号資産を資産価値の保全のために利用しているベネズエラは、インフレへの懸念から暗号資産を利用している一例だ。ラテンアメリカ諸国やアフリカ、東アジアでも同様の傾向が見られ、中には商取引に暗号資産を利用しているケースも示唆されている。また、途上国ではP2Pでの暗号資産取引が盛んであることから、これらの国で暗号資産の採用率にはP2Pプラットフォームが重要であることが伺える。
世界的に見れば、従来の銀行システムよりも規制のハードルが低い暗号資産プラットフォームはアンダーバンクトを救う可能性を秘めている。昨今盛り上がりを見せるDeFiも、まだまだ金融エコシステムから除外されている人々に普及しているとは言いきれない。今後の同行を引き続き注目していきたい。
【参照記事】The 2020 Global Crypto Adoption Index: Cryptocurrency is a Global Phenomenon
HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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