国際環境シンクタンクのGermanwatchらは11月18日、COP30の会場で「気候変動パフォーマンス指数(CCPI)2026」を発表した。世界の温室効果ガス排出量の90%以上を占める63カ国とEUを対象に気候変動対策の進捗を評価したもので、日本は67カ国・地域中57位となり、前年から順位を落とした。
CCPIは、温室効果ガス排出量(40%)、再生可能エネルギー(20%)、エネルギー使用(20%)、気候政策(20%)の4分野14指標で各国のパフォーマンスを評価する。日本のスコアは40.95ポイントで、G7諸国の中でも低い水準にとどまった。同じくエネルギー資源国であるオーストラリア(56位)、カナダ(61位)と並び、先進国の中で気候変動対策の遅れが指摘される結果となった。
今回のランキングでは、米国が前年から8つ順位を落とし65位と最下位に近い位置まで急落した。トランプ大統領の再選後、パリ協定からの2度目の離脱を表明したことや、化石燃料の拡大促進、排出削減規制の撤廃などが評価を大きく押し下げた。一方で、州や都市レベルでは野心的な気候変動対策が継続しているとの指摘もある。上位ではチリが7位に躍進し、2022年の気候法制定や2050年までの再生可能エネルギー100%目標などが評価された。
日本は2050年カーボンニュートラル目標を掲げているものの、石炭火力発電への依存継続や再生可能エネルギー導入の遅れが国際的な評価を下げる要因となっている。パリ協定の1.5℃目標達成に向けて、より野心的なNDC(国が決定する貢献)の提出と具体的な政策実行が求められる。
【参照URL】Climate Change Performance Index (CCPI) 2026
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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