BNPパリバ・アセット・マネジメント(BNPP AM)が7月13日に公表した調査結果によれば、コロナ禍において投資家にとってESG(環境・社会・ガバナンス)の重要性、特に、社会要因の重要性が高まっていることが分かった。
コロナ危機が始まり、全体としてESGを重視する動きが強まっているが、その中でも特に社会要因を非常に重視すると回答した比率はコロナ以前と比較して20%増となる70%まで高まり、環境要因の74%(11%増)、ガバナンス要因の76%(4%増)に大きく近づく形となった。
BNPP AMのCEOフレデリック・ジャンボン氏は、「コロナ危機は、社会要因に対する投資家の認識を変化させた。BNPP AMは、企業が社会的行動を進化させ、改善することを勧める。それにより、リスクを低減し、クライアントに提供するリターンを向上させる。」と述べた。
社会要因の中でも、最も重要な要素は労働基準(38%)であり、有害な投資(31%)、人的資本管理(23%)、男女共同参画(22%)と続く。
一方で、回答者は、社会要因を考慮した投資の障壁として「確立された/標準的なメトリックの欠如」(42%)と「社会的責任投資に含まれるものの明確さの欠如」(31%)を挙げている。
BNPP AMグローバル・サステナビリティ担当のJane Ambachtsheer氏は、「社会要因は企業のESGスコアの重要な要素だ。当社はデータのアクセスと利用、ジェンダー多様性、労働基準、包括的成長のためのビジネス慣行などの社会指標について研究を続けていく」と述べた。
BNPパリバをはじめとして多くの機関投資家、市場関係者がESG投資における社会要因の重要性の高まりを指摘しており、企業にとっては気候変動やガバナンスに加えて自社やサプライチェーンの雇用をどのように守り、厳しい経済状況のなかでも適正な労働慣行を維持していけるかがこれまで以上に問われることになりそうだ。
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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