金融情報大手のブルームバーグが2025年までに二酸化炭素(CO2)排出量のネットゼロ(実質ゼロ)の達成を目指すことを表明した。2月9日付の日本語版リリースによると、パートナーシップを築いた企業と共に、出張で生じる排出量をオフセットするプロジェクトを進める。長期的には、同社の貢献活動「ブルームバーグ・フィランソロピーズ」が発展途上国において支援しているクリーンエネルギー関連のプロジェクトによるカーボンクレジットの審査を行う。
今回の表明は、同社が長年取り組んできた持続可能性や気候変動対策をさらに強化するとともに、同社が掲げる「25年までに事業活動で使用する電力を再生可能エネルギー100%化」という目標を補完するもの。
同社は2008年から2019年にかけ、電力需要削減に向けたプロジェクト、 エネルギー効率化対策、 必要となるインフラのアップグレードなど、独自にCO2排出量に歯止めをかけ、 削減を進めてきました。 19年にはブルームバーグの温室効果ガスの内訳は、スコープ1(天然ガス、 発電機用オイル、 冷却材、 航空燃料)が8.1%、 スコープ2(購入電力、 蒸気消費)が40.3%、スコープ3(出張、 出版業務、 国際物流、 埋立廃棄物、オフィス・印刷所の紙消費)が51.6%だった。 将来的に、算出されるスコープ3にはアップストリームの資本財、ブルーバーグL.P.のハードウェア製造、従業員の通勤などが含まれるようになるという。
19年にブルームバーグL.P.が使用したエネルギーのうち48.5%が再生可能エネルギーとなり、18年の再エネ率17%から増加。これで25年までに再生可能エネルギー100%にする「RE100」目標のおよそ半分程度を既に達成したことになる。さらに、ブルームバーグの総排出量は基準となる2007年と比べて30%減少し、 2020年までに20%削減する目標を既に上回った。2008年以降、ブルームバーグのグローバルなエネルギー効率化対策と環境プロジェクトは1億2千万ドル以上の事業経費と100万トン以上のCO2排出量削減の成果を上げており、 同社のCO2排出量5年分に相当する。
ベス・マゼオCAO(最高総務責任者)は「気候変動対策において民間企業がリーターシップを発揮すべき最も重要な時期を迎えている。ブルームバーグでは気候変動が当社の事業や拠点地域のコミュニティーに対してどのように影響するかを考慮し、サステナビリティ(持続可能性)を常に事業の中心に据えてきた。25年までにCO2排出量ネットゼロを達成するという挑戦的な目標を定めることで、 気候変動アクションの具体的な進展を示していく」とコメントを発表した。
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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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