数日前、仮想通貨テザー(USDT)とビットコインの価格のボラティリティが密接に関わっているとする匿名の分析レポートが発表された。レポートでは、昨年3月から今月までのビットコインの価格上昇のうち48.7%は、これまでUSDTの新規発行から2時間以内に起こっていることを指摘し、USDTがビットコインの市場操作に利用されているのではないかという疑惑の声を上げている。
USDT新規発行後の時間と価格の推移を分析すると、仮想通貨取引所における2時間での価格成長率の平均はわずか6.5%だ。これを受けて、同レポートでは「(ビットコインの価格上昇は)自然な取引データによるグラフ曲線からの極端な逸脱だ」と言及している。
USDTを発行するテザー社については、昨年から準備金不足のやハッキングのリスクなど数々の疑惑が浮上しており、現在は監査法人との関係を絶ったという噂が流れている。レポートでは、4大会計事務所によるテザー社監査の必要性を主張した。
今回のレポートで発表された数字が決定的な不正行為を証明するわけではないが、グループ会社である仮想通貨取引所大手のビットフィネックスと併せてこれからの動向を注意深く見ていきたいところだ。
【参照サイト】Report Finds Correlation Between USDT Issuances and BTC Price Moves