資産運用大手のアクサ・インベストメント・マネージャーズ株式会社(アクサIM)は、公正でグリーンな移行に焦点を当てた変革的な研究を表彰する「アクサIMリサーチアワード」の第2回受賞者として、イギリスのプリマス海洋研究所のアナ・ケイロス博士を選出した。
発表によると、ケイロス博士は「ネイチャー・ベースド・ソリューション(NBS、自然に基づくソリューション)としてのブルーカーボン(海洋生態系に隔離・貯留される炭素)開発」に関する研究を行っている。研究のうち、気候変動に対する生態系の適応能力を高める「気候スマート」管理や、炭素吸収源として機能する「ブルーカーボン」を強化する海洋管理戦略に焦点を当てた研究のインパクトが認められ、ケイロス博士には10万ユーロ(約1450万円)が授与される。「社会が果たすべき役割に関する認識が広がる中、ケイロス博士の研究は、自然を保護しつつ社会的・経済的に実行可能な海洋管理戦略への提言ともなっている」と選考委員会は評価している。
アクサIMリサーチアワードは、公正でグリーンな移行を可能にするソリューション分野で、斬新かつ先駆的でインパクトを与えることができる研究内容を顕彰しており、博士号取得後8年目から12年目までの上級研究者が対象となる。賞の対象者は①2050年ネットゼロを実現すべく、社会的要素を取り入れた気候変動緩和のための革新的なソリューションおよびアプローチ②グローバル社会においてネットゼロ世界への移行に向けた人間行動の変化を促す方法とそれに伴うマイルストーン(中間地点)の設定③ミティゲーション(温室効果ガス排出量を削減し、気温上昇効果のレベルを安定させること)およびアダプテーション(進行中の気候変動に適応すること)の観点から、クライメート・トランジションおよび生物多様性保護において重要な「自然を基盤とした解決策」、優れた効果や他の解決策との整合性――など6つの分野で、研究の新規性、先駆性、インパクトを示す必要がある。表彰は、学術・研究の振興を目指す基金「AXAリサーチファンド」と共同で行っている。
同アワードには世界中の研究者から多数の応募があり、いずれも公正でグリーンな移行を推進する最も効果的な方法に焦点を当てたものだったという。応募テーマには、気候変動が人々の健康に及ぼす影響、アフリカの都市計画や生活、不平等な社会における気候テクノロジーやイノベーションに関する政策の実行などが含まれていた。
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
最新記事 by HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム (全て見る)
- COP30でFAOが農業食料システムの気候変動対策を提唱、資金不足が最大課題 - 2025年11月27日
- 気候変動対策ランキング、日本は57位で「低評価」―米国は65位に急落 - 2025年11月26日
- EU、サステナブル金融の情報開示規則を簡素化へ 3カテゴリー制を導入 - 2025年11月26日
- WBCSDとUNEP、企業向け循環経済の世界初の国際評価基準を発表 - 2025年11月25日
- ISSB、自然関連の情報開示基準策定へ - 2025年11月25日























