アクサIM、2023年度 ESG投資意識調査。日本人は「透明性」「手数料」「商品選択肢」重視

アクサ・インベストメント・マネージャーズ・グループは5月31日、「アクサIM2023年度 ESG投資意識調査」の結果を発表した。調査は2023年10月、日本を含むアジア・ヨーロッパ地域の12カ国で各国1000名、計1万2千名の18歳以上(個人投資家・富裕層を含む)を対象に実施。2021年にも同様の調査を実施しており、回答結果を比較している。

このうち、日本人投資家の傾向として「ESG投資に対する期待値は調査対象国の中で最も低く、投資割合も小さい」「ESG投資のためにより多くの手数料を払うことへの抵抗感が最も強い」「資産運用アドバイザーとESG投資に関する会話の機会がなかった割合が最も多い」「ESG・エシカル投資において、透明性の改善、手数料の引き下げ、商品の選択肢を増やすことを特に求めている」という結果だった。

ESG投資への期待値が低く、ESG投資をしていない日本人投資家が多い一方で、少数のESG投資家は、ESGファンドを積極的にポートフォリオに取り入れており、アクサIMは「ESG投資家/非ESG投資家の間で、認知や期待値に差がある可能性」を指摘している。

ESG投資のためにより多くの手数料を払うことへの抵抗感は、日本人投資家が最も強い。投資家を対象に「ESGファンドへの投資により多くの手数料を払ってもよい可能性」について質問したところ、「可能性は非常に低い/低い」と回答した日本人投資家は、最多の63%で、ヨーロッパ・アジア全対象国の平均(40%)を大きく上回った。

また、一般的に「投資を行う際に重要視する商品の特徴」について各国の投資家に質問したところ、「規制による保護」「資産を失うリスク」「柔軟性」「投資動向の追跡」などの回答が各国で最多の回答となる中、香港と日本人投資家のみ「手数料」を最も重要視する声が最多(香港 61%、日本 50%)だった。

レポートは「日本は他の対象国と比較し、投資全般において手数料に対する懸念が大きく、ESG投資でも同じ」と分析するが、言い換えれば、透明性の改善、手数料引き下げ、商品の選択肢を増やすことを重視しているともいえる。調査では、「ESG投資ファンドの一般に認知された指標を作る(15%)」「投資家に向けた基本的テーマの教育(14%)」など、ESGファンドの評価方法の明確化や、投資家向けの教育機会に需要があることもわかった。

アクサIMは、日本人投資家は、ESG投資について期待値は他国と比べて低く、手数料の水準に抵抗を感じている一方、「透明性の向上や投資商品の拡充で改善できる」可能性を挙げる。また、教育への興味も示されていることから、投資家の理解を深める機会が増えることで、ESG投資への興味が広がる可能性も示唆した。

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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