「サステナビリティボンドに関して投資家は何を知っておくべき?」アクサIMがサステナブルボンドに関するQ&Aを公開

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アクサ・インベストメント・マネージャーズ株式会社は7月7日、グリーンボンド、ソーシャルボンド、サステナビリティボンドの総称である「サステナブルボンド」に関するレポートを更新した。サステナブルボンドは債券ポートフォリオへのインパクト投資の代名詞となっている成長中のアセットクラス。特にグリーンボンドの市場動向や生物多様性との関連などに関心がある投資家の関心を集めており、アクサによく寄せられる質問に回答する形式でこれらを解説している。

最初に、「グリーンボンドには炭素排出量対策以外の役割があるか?」という問い。グリーンボンドとは、企業や地方自治体等が、国内外のグリーンプロジェクトに要する資金を調達するために発行する債券。これについて同社は、グリーンボンドは広義の環境問題に向けて利用されているとして、主要な4つのテーマに①スマートビルディング②低炭素輸送③持続可能な生態系④スマートエネルギーインフレを挙げる。

そのうえで「どのテーマも単独では機能せず、それぞれが炭素排出量削減に向けて役割を持つが、グリーンボンドは炭素排出量を超えた持続可能な経済への道のりの一端と見るべき」という見方を示す。持続可能な生態系内のサブテーマに注目することで、これら個別の優先課題とカーボン・フットプリントとの関連が明らかになるとして「水」や「廃棄物」についての考察も加えている。

「投資家は社会的インパクト戦略を探すにあたり、何を考慮すべきか?」という問いに対しては、「ソーシャルボンドの発行体数は過去2~3年間に増加したものの、まだ大きな市場ではない。より分散された社会的インパクト戦略を得るには、ソーシャルボンド以外に目を向けることが重要」と回答。環境、社会、ガバナンス(ESG)の基準が高く、社会に関する国連の持続可能な開発目標(SDGs)にプラスの貢献をもたらす発行体によるサステナビリティボンドおよび従来型債券が、多様化を提供する源。対象範囲を拡張することで、社会的インパクト債券戦略はインパクトの信頼度という目標を達成しつつ、流動性、分散、利回りも向上する」と、視野を広げることを示唆した。

「サステナビリティボンドはかなり新しい分類だが、何を知っておくべきか?」という質問には、「サステナビリティボンドは、グリーン・イニシアチブと社会的(ソーシャル)イニシアチブを組み合わせたプロジェクトに融資または再融資するもの」と定義し、目的が気候に関する誓約に拘束されたサステナビリティリンクボンドと区別する。さらに、「サステナビリティボンドの分類は、発行体が自社プロジェクトをできるだけ正確に位置付けるのに役立つ。サステナビリティボンドは透明性の高いKPIを提供し成果志向であるべきという点で、グリーンボンドやソーシャルボンドと類似のベストプラクティス指針に従う」と回答しながらも「まだ、より広範なサステナブルボンドポートフォリオの一部として考えるのが最適」と答えている。

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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